新たな食体験を提供する「フードホール」の新業態
JNEWS会員配信日 2017/10/4
米国ではショッピングモールや大型スーパーの中にある「フードコート」を進化させた「フードホール(Food Hall)」という新業態が考案されて、2016年頃から飲食ビジネスの新たなトレンドとして大注目されている
従来のフードコートは、買い物中の空腹を満たす目的の、リーズナブルな軽食メニューが中心だ。それに対してフードホールは、その地域で獲れた食材を使った、ローカルで健康志向の高いレストランコンセプトの店が、同じ場所に集められている。フードホールが誘致される場所は、大型商業施設や駅構内の他に、美術館や文化的な価値がある旧倉庫などが改装されるケースもある。
飲食サービスの形態は、各店舗のカウンターで注文をして料理を受け取り、ホール内のテーブルやカウンター席で食事をする。そのため、複数の店で料理を注文して食べ比べをする楽しみ方もできる。料理の内容は、堅苦しくないファストカジュアルだが、コダワリの食材や調理法により、他では食べられないグルメフードとなっている。
たとえば、ニューヨークのブルックリン地区でショッピングモールや映画館などがある複合商業施設の地下に、2017年6月にオープンした「DeKalb Market Hall」は、40店舗のユニークなレストランが出店しているフードホールで、ニューヨーク近郊の畜産農家が生産したチーズ料理の専門店、新鮮な魚介類を素材にしたパエリアの店、有機栽培の野菜だけで調理されるハンバーガーの店などがある。料理の価格は1品あたり10ドル前後が中心だ。
また、シカゴのビジネス地区で2016年にオープンした「Revival Food Hall」は、築100年以上の古いビルを修復した1階部分にあるフードコートで、地元で最も美味しいローカルフードばかりを集める、というコンセプトで運営されている。
たとえば、「Farmer's Fridge」という店は、地元農家から直接仕入れた野菜や果物を素材にした、オリジナルの料理や自家製のヘルシードリンクを提供している。
このフードホールは、予約をすればスペース全体を貸し切ることも可能で、人数の集まるイベントで、参加者それぞれが好きなメニューを食べられるというメリットがある。
米国の外食業界では、フードホールが昨年から最も成長しているカテゴリーで、2016年末の時点で全米に約100ヶ所がオープンして、2019年までには、その倍に増えると予測されている。消費者が外食をする最近の傾向は、自分が食べたことのない、新しい料理を体験したい、という探究心が大きくなっており、同じ場所で多様な料理を試食できるフードコートは、グルメ消費者の好奇心を駆り立てている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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