紙の無駄を省く電子レシートプラットフォーム開発
JNEWS会員配信日 2017/8/18
買い物をすると渡されるレシートは、上手に管理すれば、月々の出費を確認したり、確定申告に利用できるが、そのまま捨ててしまうことが多いのも実情だろう。店側でもレシートを発行する度に、レジプリンターや感熱用紙のコストがかかる。紙レシートの存在は、発行する側と受け取る側の双方にとって、面倒なものになっている。
法的には、店のレシートは顧客が求める場合に発行する義務があるが、すべての顧客に渡すことまでは義務化されていない。しかし、代金決済の記録を残すことは税務処理の面からも必要で、レシート自体が廃止されることは無い。むしろ、その形態や役割を進化させていくことが期待されている。
経済産業省では、電子化された買い物レシートの実験事業を2016年から実施している。消費者にレシートアプリをダウンロードしてもらい、実験店舗での買い物をしてもらう。アプリにはレシートのデータが蓄積されるため、自身の買い物履歴を確認することができる。このデータは、各店舗が共同利用するクラウドサーバーで管理されるため、レシート以外のサービスにも活用することが検討されている。
これから電子レシートの規格が統一されて、紙からデジタルへの移行が起きるとすれば、そこで形成されるビジネスチャンスは大きなものになる。全国には、小売店、飲食店、サービス業、その他の業種を含めて 500万件以上の事業所があり、それぞれがレシートや領収書を発行している。
平成28年度(2016年)からは、受け取った領収書をスマホのカメラで保存したものを国税書類として利用できる規制緩和も行われて、レシート・領収書の電子化ビジネスには大きな市場が眠っている。企業や店舗にとって、単に設備コストが高くなるだけでは、紙から電子レシートへの移行はなかなか進まないが、売上の向上やリピート客を増やせる効果があれば、話は変わってくる。
海外では、電子レシートの中に特典ポイントや保証書の機能を加えたり、銀行口座と連携して毎月の健全な家計管理ができるようにする等の、Fintech企業が登場してきている。彼らの視点は、電子レシートを起点とした新たなマーケティング手法の開発や、銀行業界が今後の主力ターゲットにしたい20~30代向けのモバイルバンキング事業に食い込むことにある。
欧米で電子レシートのソリューションが注目されはじめたのは2014年頃からのこと。ゴミを出さない環境面への配慮からも紙レシートの発行量を減らして、電子化する取り組みが支持されている。そのため、大手の小売業者から中小店舗までが導入しやすい電子レシートのシステムは多数登場しているが、いまのところ機能面では一長一短がある。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■JNEWS会員レポートの主な項目
・電子レシートの役割と効果、課題
・電子レシートの長所と欠点
・紙とデジタルを融合したレシート機能
・医療控除向け電子レシートの潜在需要
・ドラッグストアー向け電子レシート発行モデル
・銀行口座を起点とした電子レシート管理
・人工知能が管理するモバイルバンキングの将来
・銀行店舗が無くなる日とFinTechの台頭
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2017.8.18
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