宅建法改正で浮上する中古住宅の検査市場
JNEWS会員配信日 2017/5/28
日本にある戸建住宅(持ち家)の数は約3200万戸。その中で築25年を超える物件は5割を超している。高度成長期の1970~80年代に建てられた住宅のボリュームが最も厚いが、現在は子供が独立して、定年退職をした夫婦2人暮らしというのが、日本の標準的なモデルになりつつある。
これからは、築30年前後の家が急増することになり、古い住宅をどのように再生、再流通させていくのかが課題になっている。中古住宅の市場では、築20年を超した頃から価格が大きく下がり、築30年でほとんど建物は無価値の状態になってしまう。築古の物件をして、快適に住めるようにするには高額のリフォーム資金がかかり、買い手が付かないためである。
しかしその中には、まだまだ住める家もたくさんある。相応の築年数は経っていても、優良な物件を選んで購入すれば、新築を建てるよりも大幅に安い予算でマイホームを取得することが可能だ。空き家対策の面から、国や地域の自治体も、中古住宅流通の活性化に本腰を入れ始めており、各種の補助金制度を導入してきている。
中古住宅の購入で重要になるのが、優良物件の選別であり、国の補助金でも、物件のインスペクション(建物状況検査)を受けて「既存住宅売買瑕疵保険」に加入することが条件になっている。瑕疵保険は、中古物件の売買後に欠陥が発覚した場合に、修理費用を保険で賄えるもので、事前の検査と保険がセットになっている。
この仕組みでは「ホームインスペクター」という専門職が重要な役割を担うことになる。物件の売り手とは一線を置いた客観的な立場で、住宅の劣化状況や欠陥の有無などを診断する仕事だ。
中古住宅の流通が活発な米国では、古くからホームインスペクターの仕事が成り立っていたが、日本でも、平成30年4月に改正される宅地建物取引業法で、不動産売買の際に、宅建業者がインスペクションに関する事項を説明することが義務化されることから、関連の住宅検査市場が大きくなることが予測できる。その中では、インスペクターの人材に対する需要に加えて、高度な住宅検査を行える機器開発のカテゴリーでも、市場の拡大が見込まれている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■JNEWS会員レポートの主な項目
・インスペクションで変わる中古住宅の価値
・ホームインスペクターとしての起業モデル
・日本でも増えるインスペクションの潜在需要
・現場で使えるインスペクター向けモバイルアプリ開発
・目視を超えた住宅検査ツールの開発商機
・DIYで作る床下検査ロボット
・中古太陽光パネルの診断ビジネス
・中古住宅の再生と投資対効果について
・核家族の寿命と60代からマイホームを住み替える人生計画
・テレワーカーに求められる条件とホームオフィス投資
・遊休不動産の価値を高めるインテリアコーディネート
・急増する空き家対策ビジネスとセカンドハウス投資
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2017.5.28
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