2017年有望ビジネスの着目点(消費と労働の大転換期)

JNEWS会員配信日 2016/12/29

 2016年は英国のEU離脱、米大統領選挙など予測不能な出来事が起きた、波乱の一年だった。しかし、日経平均株価は、年末時点で1万9千円台にまで戻しており、2017年の経済は意外と底堅く、新たなステージに入るのではないか?という期待もある。

その材料として、長らく続いていた米国の低金利政策が終了して、金利を段階的に引き上げていく方針に転換したことがある。12月に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、2017年に3回の利上げを計画していることを発表。それを受けて、米国の長期金利相場(米国債10年)は 1%台に落ち込んでいたのが 2.5%にまで上昇した。

単純にみると、日本の国債を購入していた投資家は、米国債に乗り換えたほうが利回りが高くなるため、円を売ってドルを買う動きが加速、「円安ドル高」になることが予測できる。自動車メーカーを中心とした、日本の輸出企業にとって「円安」はプラスの要因になるため、業績の向上→株価も上昇する、というシナリオだ。


《米金利上昇による好循環のシナリオ》
 
●米国の政策金利引き上げ→長期金利の上昇

●米国に資金が集まりやすくなり「円安・ドル高」の基調に

●円安は、日本の輸出企業にとって業績向上の要因

●輸出企業を中心に株価が上昇する


しかし、米トランプ大統領の政策や、英国EU離脱の影響も不透明なことから、突発的なニュースで金融市場が混乱すれば、来年も相場の振れ幅は大きくなるだろう。

円安は、日本国内の物価を押し上げる効果があるため、2%インフレ目標を掲げている日銀にとっては好都合ではあるが、「円安=円の価値が下がること」を意味するため、長い目でみれば日本経済は弱体化していくことになる。その中でも、企業やビジネスパーソンが生き残っていくには、いま起きている世界の変化を捉えた上で、先手の策を講じていく必要がある。

たとえば、出版社、テレビ局、パソコン・家電メーカーは、かつて隆盛を誇った業界だったが、いまは瀕死の状態にある。業況は、循環景気によってやがて回復するというものではなく、消費のスタイルが変化したことで、ビジネスモデルを変革しなければ再生することができない。そうした業界が次々と出てくることになる。

2017年には、時代の転換期となるポイントが二つある。一つは、戦後の消費を牽引してきた、団塊世代(1947年~1949年生まれ)が、いよいよ70代に突入する。
身体的には、まだ健康であるものの、60代までと比べると行動範囲は狭くなり、消費市場への影響が懸念される。ただし、戦後の流行を次々と生み出してきた団塊世代には、高齢者のスタイルを斬新に変えていく期待もある。

もう一つは、“ゆとり教育”を受けてきた世代(1987年生まれ~)が、30代となり、職場での影響力が高まってくる。彼らの仕事に対する価値観は、昭和世代とは異なるため、企業は、残業時間を減らしたり、ワークライフバランスに配慮した在宅勤務制度の導入など、働き方改革を進めていくことが、急務の課題になる。

消費者と労働者は、同じコインの裏表の関係といえるが、2017年は、消費者の立場がさらに強くなり、それが労働市場の変革を推し進めることともリンクする。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です記事一覧 / JNEWSについて

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