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  米国では都市部を物作りの拠点としたアーバンマニュファクチャーの動きが活発でスモールメーカーの起業者が増え、それらの製品をブランド化する取り組みが進んでいる(JNEWS)
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製造業が都市へと回帰する
アーバン・マニュファクチャーの動き
JNEWS会員配信日 2016/6/2

 産業別にみた雇用の受け皿として最も大きいのは、製造業である。地域の製造業が盛り上がれば、雇用が増えるため、他県からの転入者も多くなり、地域の小売店や飲食店の業況を良くすることにも結び付く。しかし、国内製造業の就業者数を時系列で見ていくと、1990年頃をピークとして大きく減少していることがわかる。

《製造業就業者数の推移(日本)》

 ・1980年………1,372万人
 ・1985年………1,448万人
 ・1990年………1,519万人
 ・1995年………1,439万人
 ・2000年………1,327万人
 ・2005年………1,067万人
 ・2010年………1,011万人
 ・2016年…………987万人
 ──────────────
 ※出所:労働力調査

大手メーカーや系列の下請工場が、人件費の安い海外に移転したことが主な理由だが、製造業は、1社あたりの雇用者数が多いため、廃業する工場が増えることは、失業問題に直結して、地域の深刻な地盤沈下を引き起こす。そのため、経済対策の中でも、海外に負けない中小工場の再生や、物作りにチャレンジする起業者を増やすことは特に重要なのだが、国や自治体でも、有効な方法を見つけられないでいるのが実情だ。

それに対して、米国の政府や自治体は「メイドインUSA」の復活に本腰を入れて、様々な施策を打ち出しているが、新たな製造業の形態として、「アーバン・マニュファクチャー(都市型の製造業)」が流行り始めている。

これまで、製造業の立地条件は、不動産のコストが安い郊外エリアが適していると考えられていたが、少量生産で付加価値の高い製品を生み出すスモールメーカーは、都市のダウンタウン(中心地)から生まれることが多くなっている。都市型の製造業は、新しい技術やデザインのトレンドを掴みやすく、同業者との連携や、優秀な従業員も集めやすいため、斬新でユニークな製品を開発しやすいのが特徴だ。

さらに、各都市の特色を活かした“メイドイン・ニューヨーク”や“メイドイン・サンフランシスコ”のような「メイドイン・シティ(都市名)」による地域ブランドの価値を高めてきている。そのため、米国の中でも、特定の地域で製造業を営むことのメリットが明確となり、地元メーカーの再生や、新たな起業者を増やすことに繋がっている。


※メイドイン・サンフランシスコの製品例

現在では、大都市に限らず、米国内およそ150の都市でアーバン・マニュファクチャーを展開する動きがあり、その仕組みは、衰退を続ける日本の中小製造業を再生する上でのヒントになるものだ。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧

JNEWS会員レポートの主な項目
 ●メイドイン・ニューヨークに学ぶ都市型製造業
 ●メイドイン・サンフランシスコ製品のブランド戦略
 ●ローカル都市の製造業再生プロジェクト
 ●日本の製造業を復活させるための視点
 ●デジタル製造業に対応した遊休工場の再生ビジネス
 ●シェアリング経済を先導するツールライブラリーの仕組み
 ●ウォーカブルシティへの都市再生と街をスコア化するビジネス
 ●コモディティビジネスから抜け出すカスタマイズ製造業の潮流
 ●製造業の枠組みを変革するメイカーズムーブメントの本質
 ●メイド・イン・USAをブランド化する米国製造業の再生モデル

この記事の完全レポート
 ・JNEWS LETTER 2016.6.2
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