JNEWS会員配信日 2016/3/11
世界でドローン(無人飛行機)が注目され始めたのは、2013年頃からのことだが、当時は、空の運行ルールが定まっていなかったことから、ドローン活用のアイデアが先行して、ビジネスとして実用化されるのは数年先になるとみられていた。それがようやく具体的な事業として動き始めている。
日本では、2015年12月に航空法が改正されて、ドローンやラジコン機に関する飛行ルールが定められることになった。ポイントとなるのは、飛行許可が必要となる空域と、飛行の方法について、それをクリアーしていればドローンの商用サービスを立ち上げることができる。
その内容によると、機体の重量が200グラム以下(バッテリーを含む)のものは、「模型航空機」の分類になるため、空港周辺でなれば、法律による規制はかからない。それよりも重い機体については、「無人飛行機」の扱いとなり、人や家屋が密集している地域(国が設定)や、高度150メートル以上を飛行させる場合には、国土交通省の許可を事前に受ける必要がある。※それ以外の空域は無許可でも飛行が可能。
《無人飛行機の規制がかかる空域(日本)》
○空港等の周辺(ただし許可を受ければ飛行可能)
○国が指定した人口密集地域の上空(ただし許可を受ければ飛行可能)
○高度150メートル以上の空域(ただし許可を受ければ飛行可能)
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※上記以外の空域は、原則として無許可でも飛行が可能
飛行のルールについても、原則として以下の条件を守ることが定められた。それに当てはまらない場合でも、国土交通省の承認を受ければ飛行が許可される。つまり、正式な許可、承認を受ければ、合法的に飛ばせるドローンの用途は予想以上に広いことがわかってきた。
《無人飛行機の飛行ルール(日本)》
○日中(日出から日没まで)に飛行させること
○目視(直接肉眼による)範囲内での飛行(周囲を常時監視が必要)
○人や物(建物、自動車など)との距離を30m以上保つこと
○多数の人が集まるイベントの上空では飛行させないこと
○危険物を輸送させないこと
○無人航空機から物を投下しないこと
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※上記に該当しても承認を受ければ飛行可能になる場合もある。
※出所:国土交通省
航空法による規制が、比較的緩やかな範囲に留まったのは、他国のドローンビジネスに後れを取らないための配慮ともみられており、実質的な「空の規制緩和」と捉えることもできる。それに伴い、2015年12月の時点で国土交通省への申請は 600件以上あり、その手続きを代行する行政書士への相談も増えている。ただし、ドローンを活用した具体的な事業内容については、各事業者が模索している段階だ。
一方、米国でもドローンの法規整備に時間がかかっているが、2016年半ばまでには米連邦航空局(FAA)が定めた航行ルールが施行される見通で、各分野でのサービスが計画されている。その動向を把握することで、日本でも応用可能なビジネスのヒントを探ることができる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●ドローンを活用した事業テーマの特徴
●本格化する商用ドローン専用機の開発
●ドローンによるインテリジェンス農業の仕組み
●ドローン操縦者の育成ビジネス
●ドローンが生み出す新たな雇用と経済効果
●ローカルビジネスとしてのドローン開発
●知的労働者の仕事を奪う人工知能(AI)の開発動向
●多分野に広がるIoTデバイス開発の発想アイデア
●ロボットに奪われるホワイトカラーの仕事と近未来の労働市場
●都市-田舎の格差を埋めるルーラルビジネスへのマネー環流
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2016.3.11
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