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  スマートフォンで3D映像を映し出すバーチャルリアリティ(仮想現実)は、多様な分野で活用することができる技術として注目されているが、段ボールで製作できる3Dゴーグルの「グーグルカードボード」は学校の教材や、雑誌の付録としても配布されはじめている。
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グーグルカードボードを起点とした
バーチャルリアリティ市場
JNEWS会員配信日 2015/12/1

 旅行は、知らない土地の景色や雰囲気を体感できるのが魅力だが、人生の中で訪問できる国や地域は限られている。それを擬似的に体験できるのが、グーグルの「ストリートビュー」であり、世界各国の主要都市にある道路や観光名所を3次元のパノラマ写真で見ることができる。

ストリートビューは、2007年にプロジェクトがスタートして以降、特殊なカメラ機材を搭載した専用車両で世界各地を走行しながら360度のストリート映像を撮影したコンテンツを増やしている。さらに、大学、美術館、博物館なども、施設内部の3D映像をストリートビューに掲載するようになり、教育コンテンツとしての利用価値が高まっている。

ストリートビューのような技術は、「バーチャルリアリティ(仮想現実:VR)」と呼ばれて急速に進化しており、2016年のトレンドとしても注目されている。 その火付け役となっているのが、「Googleカードボード」という段ボール製で、スキー用のゴーグルを大きくしたような形状のVRビューアーである。

これはグーグルが、誰でも手軽で安価にバーチャルリアリティ体験ができる目的で設計したもので、スマートフォンをカードボードに差し込み、双眼鏡を覗くのと同じ要領でレンズを見ると、自分がその場にいるような 360度パノラマの景色が見える。カードボード最大の特徴は、段ボール素材によって安価に作成することができ、簡単に折りたためるため、学校や職場、屋外へも容易に持ち歩けることである。

カードボードはオープンソースとして設計図が無料で公開されているため、自作ができる他、完成品を販売する業者も登場してきているため、1,000〜2,000円程度で購入することも可能だ。

米ニューヨークタイムズ紙では11月8日の宅配に、このグーグルカードボードを付録として全購読者に無料で配布した。読者は、自分のスマートフォンにニューヨークタイムズが公開する映像をダウンロードし、それをカードボードに挿入して見ると、紙面で報道している土地や人々の様子が、自分がそこにいるかのようにして体験できるというものだ。

バーチャルリアリティの可能性は、教育、観光、広告、医療、職業訓練などの分野でも模索されており、技術の進化と共に身近なものになっていくことが予測されている。それに伴い、新たなビジネスも多方面から生まれてきているため、今回はその動向を詳しくみていきたい。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)

JNEWS会員レポートの主な項目
 ●3Dバーチャル映像の活用アイデア
 ●グーグルが展開するVRプラットフォーム事業
 ●VRによる小売業と広告ビジネスの新たな形
 ●不動産専門のVR映像制作支援サービス
 ●過去のトラウマを解消するためのVR療法
 ●進化するパーソナルロボットの道筋と労働市場への影響度
 ●オンデマンド・エコノミー時代の店舗スタイルと潜在労働力
 ●スマホで進化するオンデマンド医療とローカルビジネスの将来形
 ●ゲームをすることが"仕事"になる仮想世界の通貨システム

この記事の完全レポート
 ・JNEWS LETTER 2015.12.1
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