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  「個人情報の漏洩を防ぐこと」が目的のセキュリティーサービスが拡大しているが、米国では「個人情報は盗まれる」ことを前提とした対策サービスが主流。米ソーシャルセキュリティナンバーについても、日本のマイナンバーとは取り扱い方が異なっている。
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消費者とEC業者を詐欺から守る
プロテクションサービス市場
JNEWS会員配信日 2015/11/16

 高齢者をターゲットに現金を騙し取る詐欺の手口は年々巧妙になっている。息子の名を騙った「オレオレ詐欺」の他、市役所の職員を装って、医療費の過払い分を返金するからと現金を振り込ませる「還付金詐欺」、証券会社の社員になりすまし、架空会社の社債を購入させる「金融商品詐欺」など、新手の手口は「特殊詐欺」と呼ばれており、警察庁の統計では、2014年の被害額は 565億円で、3年前よりも2倍以上に急増している。

《特殊詐欺の被害状況》

 ・平成16年(2004年)……283.8億円
 ・平成20年(2008年)……275.9億円
 ・平成24年(2012年)……364.4億円
 ・平成25年(2013年)……489.5億円
 ・平成26年(2014年)……565.5億円
 ─────────────────
 ※出所:警察庁

銀行ATMを利用した“振り込め詐欺”については、対策が強化されたことで被害件数が減少しているものの、宅配便で現金を送らせるように指示したり、バイク便業者が高齢者宅に現金を取りに行く方法など、次々と新しい手口が考案されている。

ネット上でもオークションや出会い系サイト上の詐欺が横行しており、関連のサイトに誘導するスパムメールも膨大な数になっている。現代では顔の見えない非対面取引も増えていることから、ネットとリアルを絡めた新種の詐欺は次々と出現してくることになるだろう。

そこで重要になるのが、善良な消費者が詐欺のトラブルに巻き込まれないための対策である。詐欺のターゲットとなりやすいのは、何らかのルートから個人情報が漏れてしまった人達で、電子的に管理されているリストが不正に持ち出されたり盗まれると、知らない相手からの迷惑メールやセールス電話が増えるようになる。

日本では、2016年からマイナンバー制度が正式にスタートし、従業員や顧客の番号を預かる立場の企業に向けたセキュリティ対策が新たな市場として浮上している。しかし、マイナンバーの活用範囲が行政の他にも、金融機関、病院、不動産取引、日常の買い物(軽減税率が適用された場合)などにも広がると、どこかで必ず情報漏洩が起きることは想定しておくべきだろう。

先例として、米国では「社会保障番号(ソーシャルセキュリティナンバー:SSN)」が30年以上前から導入されおり、銀行口座の開設やクレジットカードの作成時にも使われているが、情報がデジタルで管理されるようになった近年では、セキュリティが高まるどころか、逆に番号が盗まれたり、“なりすまし”による被害が急増している。

《米国のSSN盗用による犯罪例》

 ○本人以外による金融口座やカードの作成
 ○本人以外によるローンの借り入れ
 ○本人以外による税金還付金の受け取り
 ○本人以外による年金の受け取り
 ○他人のSNNを使用した医療機関での治療
 ○他人のSNNを使用した不正な就職

そのため、番号の盗難を100%防止することは不可能という視点に立って、自分の個人番号が不正に使われていないかをモニタリングするサービスなどが多数開発されている。「番号が盗まれないこと」を前提にするのではなく、番号が盗まれても多額の被害を出さないための対策が米国では主流だ。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧


※個人情報漏洩に備えた米国のセキュリティサービス

JNEWS会員レポートの主な項目
 ●日米にみるマイナンバー・SSN管理の違い
 ●クラウドによるマイナンバー管理の仕組み
 ●急成長する個人ID盗難保護サービス市場
 ●不良顧客を識別するeコマース詐欺対策サービス
 ●eコマースサイトがターゲットにされる詐欺の手口
 ●不良注文を識別するeコマース詐欺判定システム
 ●高齢者向けのファイナンス見守りサービス
 ●求められるブランドプロテクションの新技術

この記事の完全レポート
 ・JNEWS LETTER 2015.11.16
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