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  日本のマネー供給量は10年前と比べて約4倍に膨らんでいる。その影響は「個人大家」の増加などとして現れており、サラリーマンでも1億円程度の不動産投資ローンを組むことが容易になっている。多大な借金への抵抗が薄れてきた頃が、バブル崩壊のサインでもある。
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2016年有望ビジネスの着目点
(老後の不安を煽る新バブル特性)
JNEWS会員配信日 2015/12/28

 2015年は、安全保障関連法の成立、マイナンバー法の施行など、政治の分野で大きな動きがあったが、国内の消費市場では、大きなヒット商品は出なかった。
しかし、外国人観光客による“爆買い”によって小売業は支えられた。訪日外国人数は前年比で4割以上増えており、出国する日本人の数を初めて上回ることになった。旅行者の伸び率と購買意欲の両方で高いのは、やはり中国人である。





アベノミクスの功罪については各所で語られているが、円安による最大の経済効果は、訪日外国人によるインバウンド消費が増えたことかもしれない。しかし、それが今後も持続するとは限らない。中国政府にとって、海外旅行者の爆買いは人民元の流出に繋がるため、主な決済手段となっている「銀聯カード」の利用額に規制をかける動きが出てきている。

一方、日本人にとっての「円安」は資産価値の下落を意味している。日銀が管理している国内のマネー供給量(マネタリーベース)は10年前と比べて3倍以上に増えており、それが為替レートにも反映(円の価値が下落)されている形だ。



マネー全体の供給量が膨張している中、定期預金をしているだけでは実質的な資産額は目減りしてしまうため、「投資をしないリスク」を意識する人達も増えてきた。そうした風潮が日本全体に広がった頃が「バブルのピーク」になるだろう。

今回の投資ブームは「老後への不安」が根底にある。

老後に必要な生活資金は、夫婦2人で約22万円/月が平均値。さらに、ゆとりのある生活をするなら、毎月36万円程度が必要と言われているため、定年後の人生が30年あるとすれば、約1億円の資金を確保しなくてはいけない。しかし、退職金と年金ですべてを賄えるわけではないため、若い頃からの資産運用により、老後までに蓄えられる金額は変わってくる。

投資には様々な種類や方法があるが、限られた元手で得られるリターンは小さいため、リスクを取ってハイリターンを得ようとすることの抵抗感は、日本でも次第に薄れてきている。超低金利の時代には「借金で膨らませた元本で投資をしたほうが賢い」という考えにも一理あり、それが、億単位の資金を動かす個人投資家やサラリーマン大家の増加に繋がっている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧


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