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パーソナルロボット販売のビジネスモデルと
開発現場の舞台裏
JNEWS会員配信日 2015/8/19

 人間が機械と関わり合うことの歴史は、18世紀の産業革命から生じていることであり、人間は機械を“道具”として使うだけではなく、時にはそれ以上の存在として扱ってきた。自動車、家電製品、パソコンなどは、深く使い続けることでパートナーとしての愛着が湧いてくるものだ。

スマートフォンも、現代人にとって欠かせないパートナーになったが、近い将来には、人間と親しいコミュニケーションがとれる「パーソナルロボット」が普及してくることが予測されている。子どもの世話や家事のサポート、高齢者の孤独を癒せるようなロボットへの潜在的なニーズは高い。

ソフトバンクが2015年6月から販売を開始した、人型ロボットの「Pepper(ペッパー)」は、初回出荷の1000台、さらに第二期(7月)販売の1000台分も、専用サイトからのオンライン注文開始からわずか1分で完売した。

■Pepper(ペッパー)
  http://www.softbank.jp/robot/special/pepper/
■ペッパーの紹介映像
  https://youtu.be/3a4sZnLRvqk

ペッパーには、カメラや各種のセンサーに加えて、人の感情を認識する機能が搭載されている。人工知能と音声認識エンジンにより、人間の言葉や気持ちを理解して、うれしい時には共に喜び、悲しい時には励ます言葉を返すことができる。
コミュニケーションされたデータはクラウド上に蓄積されて、ロボットの会話能力は日々成長していく。

その他に、生活役立つ機能として、家族の記念日など大切な瞬間を撮影して、胸のディスプレイで閲覧できる機能、遊びながら英会話などを学べる機能、スマートフォンと連携して、テキストメッセージをペッパーが伝えてくれる機能などが、ベーシックアプリとして用意されている。それ以外の機能も、アプリストアからダウンロードして追加できるようになる計画だ。

ペッパーの価格は、本体価格が 198,000円、クラウドやアプリを利用するための基本プランとして月額14,800円×36ヶ月がかかる。さらに、故障した時の修理代が90%カバーされる保険パック(月額9,800円×36ヶ月)がオプションで用意されている。



パーソナルロボットの販売モデルとしては、ロボット本体の価格に加えて、頭脳となるクラウドシステムの利用料金を付加していく方法、また、販売ではなく貸し出す方式にしてレンタル料を徴収していく方法などが考えられている。

さらに、スマートフォン・アプリのように、ロボットの機能をオプションで追加していけるアプリ売買のマーケットを構築することも、ロボットメーカーにとって魅力的な収益源になる。

Pepper(ペッパー)の原型は、もともと、フランスの「Aldebaran(アルデバラン)」という、2005年創業のベンチャー企業が開発したものだが、2012年にソフトバンクが、1億ドルで同社株式の8割を取得することで、商品化にこぎ着けた。
ロボット本体の製造は、アップルのiPhoneも受託生産している、中国の OEMメーカー、Foxconn(フォックスコン)が担当している。

ソフトバンクが展開しはじめたロボットビジネスの中では、中国企業との密接な関係が築かれており、それに対しては、中国側に重要技術が流失することを懸念する声も上がっている。

それ以外でも、新興のロボットメーカーに対しては、世界の投資家やIT企業が積極的な出資や買収を行う動きが出始めており、パーソナルロボットが、スマートフォンに次ぐ有望市場として期待されている。その具体的な動きや、パーソナルロボットが、どのようなビジネスを生み出すことになるのかを、今回のレポートでは掘り下げていきたい。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)

JNEWS会員レポートの主な項目
 ●ソフトバンクのロボット戦略と資本政策
 ●パーソナルロボットのプラットフォーム争い
 ●働くロボットが変革する労働市場
 ●ロボット市場における中国の脅威
 ●ロボット開発を取り巻くトラブルと訴訟リスク
 ●IoTビジネスの幕開けと家電メーカーのビジネスモデル転換
 ●ロボットに奪われるホワイトカラーの仕事と近未来の労働市場
 ●製造業の枠組みを変革するメイカーズムーブメントの本質
 ●商用ドローン実用化に向けたベンチャービジネスの参入ポイント

この記事の完全レポート
 ・JNEWS LETTER 2015.8.19
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