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  一時は人気が下降したビットコインは、ギリシャなどの信用不安により、再び見直される動きが出てきている。ビットコインを資産として大量に保有することにはリスクが伴うが、海外へ資産を逃避させる送金通貨としての役割が注目されている。
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金融機関の権益を奪い
ビットコインが巻き起こす金融革命
JNEWS会員配信日 2015/4/25

 世の中で流通する「お金(通貨)」はすべて、その国の中央銀行によって発行、管理されている。国が消滅しない限り、通貨の価値は保証されるが、実際には金融政策のさじ加減によって価値は変動している。いまは各国の中央銀行が金融緩和を実施しており、その影響によって為替相場は大きく変動している。

日本円の資金供給残高(マネタリーベース:市中に出回っているお金の流通量)は2012年には約120兆円だったのが、2015年には280兆円にまで増加しているのだ。



通貨の供給量が増えれば、株価が上がったり、景気が良くなったように感じるのは、当然といえば当然。しかし、実体経済が伴わない通貨の過剰供給は、どこかで破綻するリスクを抱えている。

日本がすぐに財政破綻をすることはないとしても、近年では、ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、キプロス、アルゼンチン、ロシアなど、深刻な財政危機に陥る国が続出している。

そうした流れを受けて、国が発行する通貨はどこまで信用できるのか?という不安も生じており、各国の中央銀行に依存しない仮想通貨システムを作ることが、ネット経済圏における新たな命題として浮上してきている。

2014年2月にビットコイン取引所の「マウントゴックス(MTGOX)」が破綻したことで、仮想通貨の信頼性は揺らいだものの、その後もビットコインは進化を続けている。

MITメディアラボでは、ビットコインなどのデジタル通貨が、今後の10年で人々の生活を劇的に変えるとの見解を出し、セキュリティなどの問題点を克服するための研究基盤として、2015年4月に「デジタルカレンシー・イニシアティブ(DCI)」という組織を立ち上げた。

海外では、ビットコインを決済手段として採用するECサイトが増えてきている。
その利点は、クレジットカードを所有していない新興国の消費者でも、国境を越えてオンラインショッピングができることや、決済時の手数料率をクレジットカードよりも大幅に下げられることがある。

楽天グループでも、米国「Rakuten.com」の中で、代金決済の手段としてビットコインを選択できるようにする計画を、2015年3月に発表した。さらに、オーストリアとドイツの楽天サイトへも展開していく方針だ。

また、ビットコインは正式な通貨とは異なるため、大胆に言えば、消費税や付加価値税を回避した取引も可能という解釈もできる。それではマズイということで、各国の政府は、ビットコインに対する課税ルールを定めることとなり、「通貨としての価値」を公的に認めざるを得ない状況へと向かっている。

自民党IT戦略特命委員会の資金決済小委員会が、2014年6月に取りまとめた中間報告では、ビットコインなどの仮想通貨を、法律上の通貨でもモノでもない「価値記録」と位置付けて、ビットコインによる売買取引は「消費税の課税対象」とする一方で、出資法、銀行法、資金決済法など、既存法の適用外とする見解を示している。つまり、課税することを条件に、ビットコインを規制せずに容認していく方針だ。

この見解からすると、ビットコインによる電子決済や金融サービスを、銀行業の認可を受けていない、スタートアップのスモール企業が立ち上げることも可能であり、新たな金融ビジネスに挑むことができる。

そこまではしなくても、仮想通貨によって、これからどんな変化が起こるのかを把握しておくことは重要である。今回のレポートでは、ビットコインを主な題材として、仮想通貨が今後の生活やビジネスに与える影響や商機について考えていきたい。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)

JNEWS会員レポートの主な項目
 ●ビットコインによる送金コストの変革
 ●国際送金手数料ゼロの衝撃
 ●ビットコインの課税問題とフリーランス市場
 ●ビットコインによるマイクロ報酬システム
 ●ビットコインに関わるベンチャービジネスの視点
 ●EC・リアル店舗にビットコイン決済を導入する方法
 ●変化する通貨の役割と商品価値の交換取引
 ●シェアリング経済で豊かに暮らすネオシェアラーへの成長過程

この記事の完全レポート
 ・JNEWS LETTER 2015.4.25
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