JNEWS会員配信日 2015/3/6
eコマース(ネット通販)で買いやすい商品の特徴は、スペックや品番が決まっていて、検索や比較検討がしやすい、書籍、CDやDVD、パソコン、家電製品等、というのが以前の常識だったが、最近では、衣類や靴をネットで購入する人達が増えている。特にその傾向は、女性の購買特性として表れている。
ニフティの新スマートフォンサービス「NifMo」が 2015年1月に行ったアンケート調査(10代〜50代の女性 615名)では、3人に1人がスマートフォンからのショピングを経験しており、その中で最も利用が多いのが、衣類や靴などのファッション用品となっている。
衣類や靴は、メーカーによってもサイズが微妙に異なるため、ネットでの商品選びが難しいカテゴリーだが、それはリアルなショッピングにも共通していることで、近隣の小売店で「デザインとサイズ」の両方が、自分に合うものがなかなか見つからずに悩んでいる女性はとても多い。
そこで、多少のリスク(サイズが合わないかも)を冒しても、ネットで探して購入する女性が増えている。スマートフォンからのショッピングでは、洋服選びが便利な「ファッションコーディネート・アプリ」が各種登場してきたことも、アパレルとeコマースとの相性を良好にしている要因だ。
たとえば、「iQON(アイコン)」というコーディネートアプリは、提携先のECショップで販売されている服、バッグ、靴などのファッションアイテムが 150万点以上がリストアップされており、それらを自由に組み合わせてして、ファッションの全体的なイメージを確認することができる。そのイメージをSNSで友達に公開したり、気に入った服は購入することができる。
こうした、新しいファッションの楽しみ方は、20〜30代の女性を中心に浸透しはじめており、iQONアプリ(無料)のダウンロード数は2014年末の時点で 200万件を超している。ダウンロード数が、アクティブな利用者数を示すものではないが、紙のファッション雑誌を凌ぐ規模になってきたことは間違いない。
さらに、海外で急成長しはじめているのが、月々の定額料金を払うと、その人の体型や好みに応じて、スタイリストがコーディネートした数種類の服やアクセサリーが、毎月送られてくる、パーソナルスタイリストサービスである。
米国や英国では、もともとフリーのスタイリストが買い物に同行して、依頼者に似合う服をコーディネートするサービスが流行っていたが、それを非対面でオンライン化した事業へと飛躍してきている。
コーディネートを希望する消費者は、ファッションへの関心や、新しい服の購買意欲が高いことから、アパレル業界にとって魅力的な販売チャネルになる可能性が高く、低迷・伸び悩んでいる業績を回復させる救世主としての期待が高まってきた。
■この記事の主な項目
●返品OKのオンラインコーディネート販売
●レンタルで服を取り替えていくファッションスタイル
●服のサブスクリプション型レンタルサービス
●データサイエンス化するファッション業界
●ファストファッション業界との接点について
●無在庫型のファッションコーディネートサービス
●パーソナルスタイリストのオンライン開業モデル
●アパレル業界の救世主となるための視点
●通販客を呼び戻すリアル店舗向け買い物代行サービス
●身の回りの買い物をアシストするパーソナルアシスタント
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.3.6
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