JNEWS会員配信日 2014/12/8
3Dプリンターなど、新たなデスクトップ型工作機械の発明は、製造業に変革を起こし始めている。これまでは、個人ではチャレンジしにくかった“メーカー”としての起業を、現実的なものにしはじめているのだ。これは、米国で起きている「メーカーズ・ムーブメント」と呼ばれるトレンドである。
一方、日本では、新規開業者の中で「製造業」を選ぶ人の割合は非常に少なく、開業資金を借り入れる人の中でも約4%に過ぎない。しかし、国内で製造業に従事する人の数は約1千万人、これは労働人口の16%にあたり、やはり日本は、「モノ作り」によって成り立っている国であることは間違いない。
日本人の器用さからすると、モノ作りに適性のある起業の潜在層はもっと多いはずであり、製造業の新しい潮流を引き起こすことはできるはずである。
米国で起きているメーカーズ・ムーブメントの特徴は、大規模な製造設備を持つ必要が無くなったこと、ソーシャルな人的ネットワークにより製品開発の方法が進化していること、クラウドファンディングにより資金調達が容易になったことなど、複数の要因が相乗効果を生み出して、ユニークなスモールメーカーが次々と登場していることだ。
著名起業家のイーロン・マスク氏が創業したテスラモーターズのように、電気自動車をゼロから開発して、世界の自動車業界に旋風を起こす新興メーカーも現れているが、資金や実績が乏しい起業者が、いきなり大手メーカーと同じ土俵を戦うことは難しい。
スモールメーカーが手掛けやすいのは、ニッチではあるが、コアな愛好者達がコミュニティを形成しているような分野である。まったくゼロからの製品開発ではなく、既製パーツを組み合わせることによるカスタマイズによって、オリジナルの製品に仕上げるスタイルであれば、趣味のDIYを発展させたメーカー起業をすることができる。
それを支援するための、ツール、コミュニティ、マーケットプレイスなどは多数登場してきており、日本にもやがて上陸してくることになるだろうが、その時にどんな製造業の変化が起きるのかを解説していきたい。
※Critical
making - Wikipedia
■この記事の主な項目
●3Dプリンターによる製造業の革新モデル
●新興メーカーが挑む新たな自動車開発
●メーカー起業を支援するコミュニティ事業
●メーカーズ・マーケットプレイスの開発商機
●在庫を持たない3Dマーケットプレイスの仕組み
●STEM教育ビジネスとメーカー起業支援との接点
●消費者を呼び戻すメイド・イン・USA製品の魅力
●需要を先読みするソーシャルプロダクト開発
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2014.12.8
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