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  キックスターター(Kickstarter)で資金調達に成功した新規事業プロジェクトの7割以上は、獲得資金が1万ドル以下のスモールビジネスに集中。その多くは、製品化のコストを下げるため、完成品を売るのではなく、ユーザー側にパーツを組み立ててもらう、DIYキットメーカーとして起業している。
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スモールメーカー起業の選択肢に浮上する
DIYキット開発
JNEWS会員配信日 2014/2/10

 昭和の時代に、日本の経済成長を支えてきたのは、自動車、家電製品、食品、衣料などの“モノを作ること”を目的とした「製造業」だ。しかし、いまの新規開業者で、製造業を目指す者は少数派になってしまった。工場や設備が必要になるし、新興国の安い人件費には太刀打ちできないため、個人の新規開業テーマとしては、サービス業のほうが人気が高い。多くの起業者は、開業資金を1千万円以内、できれば5百万円以内に抑えたいと考えている。

《新規開業者の事業分野(2013年)》

 

《開業資金の分布》

 

しかし最近では、製造業についても、スモールビジネスとして行うことが可能となってきており、海外では、世の中に無い製品を開発することにチャレンジする起業者が増えてきている。

スモールメーカーを目指す起業者が資金調達できる「Kickstarter(キックスターター)」には、2009年から現在までに、約13万件のプロジェクト(製品開発の案件)が投稿されて、その中の 43%(5.5万件)が資金の獲得に成功している。
さらに、その7割以上は、資金1万ドル以内の少額プロジェクトであることも特筆すべき点といえる。

《キックスターターの資金獲得状況(2009年〜2014年1月》

 



スモールメーカーが活躍しはじめている要因として、もう一つは、顧客との協業がしやすくなってきたことがある。「モノを作るビジネス」には、多様な分野があるが、メーカーが 100%完成された製品を提供するのではなく、材料やパーツのみを提供して、製品の組み立てはユーザー側に任せるようにすれば、メーカー側の負担を軽減することができる。

これは、家具の製造販売で世界的な成功を収めている「IKEA(イケア)」が実践している方式だが、それと同じように、各製品を「DIYキット」として販売するビジネスモデルが注目されている。たとえば、自動車やバイクにも、ユーザーがキットを購入して、組み立てる楽しみ方があっても良い。

既に完成された製品を購入(所有)するだけでなく、自分が製作に関わることや、オリジナルの仕様にカスタマイズすることに、喜びを感じる消費者は増えてきている。そこに、スモールメーカーとして、どんなDIYキットを提供するビジネスが成功しているのかを見ていこう。


この記事の核となる項目

 ●超ニッチ市場で成功するヘリコプターのキットメーカー
 ●IKEAが仕掛けるマイホームのセルフビルド市場
 ●個人開業が可能な高級料理の食材キット販売ビジネス
 ●自家製パン作りの材料を売ることで成功する起業者
 ●ハイテク電子キットを活用した教育ビジネス
 ●DIYインストーラーの個人開業モデル
 ●クリスマス・イルミネーションのデコレーター開業
 ●子どもの理数系才能を開花させるSTEM教育ビジネスの開拓
 ●必修化が求められるプログラミング教育に向けたスクール事業


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