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  プロスポーツの世界では、試合の過程や選手の動きをビッグデータとして分析する手法が進んでおり、それを担当する専門の会社が存在している。彼らは、各チームやテレビ局などをクライアントとして、各試合のデータ化〜解析を行っている。
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スポーツ業界から学ぶ
ビッグデータ分析ビジネスの着眼と方法
JNEWS会員配信日 2013/12/23

 半年前まで好調だった売り上げが、先月あたりから下降しはじめた。『不景気たから仕方のないこと』と言ってしまえば、それまでだが、不振に陥った原因は、どこかに潜んでいるはずである。広告に対するレスポンス、来店客数、購入単価、リピート率など、その原因を究明するためのヒントは、店の各所に眠っているはずで、それを掘り起こして分析することが、起死回生の一手になる。

それは、リアルとオンライン、いずれのビジネスにも共通しているが、最近では、顧客の行動や、取引の履歴を電子的に蓄積できるようになったことから、昔よりも科学的にビジネスを組み立てることが可能になっている。しかし、データは数字の羅列に過ぎないため、それらを分析して、特定の法則を見つけ出せるシステムやノウハウの開発はこれからだ。

一方、データの活用が以前から行われているのが、プロスポーツの世界である。野球では、試合の経過をスコアブックに記録して、球団や各選手のデータを統計的に分析することが1970年代から行われており、その分析手法は「セイバーメトリクス(Sabermetrics)」という理論として確立している。

意外にも、当時の球団は、データ活用には関心が無く、野球ファンが個人的な趣味としてテータを記録、分析していったことからスタートしている。そこから、野球専門のデータ分析会社が生まれ、新聞にも各種のデータ指標が掲載されるようになっていった。そして、1990年代からは、球団経営をビジネスとして取り組むオーナー企業が増えて、データの基づいた相手チームの戦術分析や、所属選手の査定評価がされている。

現在では、スコアブックの付け方も、手書きからデジタルへと進化して、記録できる情報量は飛躍的に増えているが、興味深いのは、同じ試合でも、データは編集や分析の方法により、内容に違いが生じて、情報商品としての差別化がされている点である。そのため、データ分析会社は複数が共存しやすい特性がある。

《野球データ分析会社のビジネスモデル》

 

試合内容からデータを収集して商品化するビジネスは、サッカー、アメリカンフットボール、バスケットボールなどでも展開されている。これらのスポーツは、野球と比べて選手の動きが複雑なために、各社が独自の分析技術やノウハウを開発している。



生のデータを収集して、そこから特定の法則を導くためのデータ分析業は、スポーツ分野に限らず、様々なビジネスへと応用することが可能で、今後の成長が期待できる分野だ。データ分析は、数百万件、数千万件という顧客の情報を保有する大企業で注目されることが多いが、スモールビジネスの事業者でも、有意義なデータを掘り起こして、売上の向上に結びつけることができる。



この記事の核となる項目
 ●スポーツ番組の裏側にあるデータ分析会社の役割
 ●スポーツデータ作成ビジネスの仕組み
 ●スポーツデータ分析の収益化と商品開発について
 ●ビッグデータ実験車としてのF1マシン
 ●ビッグデータ活用によるブラジャーのオンライン販売
 ●フィッティング技術をウリにしたショッピングモール
 ●スモール小売業者が始めるビックデータ分析
 ●アマゾン・マーケットプレイスで成功する商材の特徴
 ●身体データの管理で変わるアパレル店の商売方法と収益構造


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