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  新聞の広告収入は10年前と比べて約半分にまで減少。それに伴い、新聞社の中では経営困難に陥るケースも多発。今後は業界内の再編が加速するとみられている。その影響は、新聞社の記事が二次的に配信される、ネット上のコンテンツにも及びはじめている。
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崩落する新聞業界の再生モデルと
新たな「ニュースの作り方」
JNEWS会員配信日 2013/9/22

 社会人にとって、「新聞を毎朝読む」ことは、世の中の情勢や新しい知識を入手する上での、大切な習慣だが、近頃は、それをネットの無料ニュースで済ませる人も増えてきた。日本新聞協会のデータによると、新聞の発行部数は減少の傾向が顕著にみられ、国内の総発行部数は、2000年に 5,300万部だったのが、2012年には 4770万部にまで落ち込んでいる。

それに伴い、新聞社の経営にも深刻な影響が生じている。新聞社の収益構造は、有料読者の「購読収入」と、「広告収入」の2本立てにより形成されているが、広告収入が最近の10年で、半分に減少しているのだ。購読収入は、読者の減少ペースに合わせて、ジリジリと減少しているのに対して、広告は、出稿企業がそれよりも敏感に反応するため、加速度的に減少している。

《国内新聞社の総発行部数と収益状況》

 

新聞は、毎日の朝夕に紙面を印刷して、戸別配達するのが基本のため、もともとの原価率は高くて、それを広告料で補う形により成り立っている。そのため、広告収入の減少は、新聞社の屋台骨を揺るがすことになる。大手の全国紙((朝日、毎日、日経など)でさえも、営業利益率は1〜2%という状況で、地方の新聞社となれば、赤字に陥っているケースが多い。

《新聞社の収益構造》

 

紙の新聞が廃れていくのは、時代の流れとも言えるが、問題なのは、それに伴い、世の中に発信される「ニュースの質」が低下していくことだ。ネットに掲載されている、無料のニュースにしても、ソースは新聞社から提供されている記事であり、それを引用する形で、有識者や個人のブログなども、二次、三次的に活用している。

そのため、記事の作成元である、新聞社の凋落は、ネットに流通するニュースの信頼性や品質低下にも繋がるのだ。新聞・通信社に雇用されている人員が大幅に減少していることも、それを裏付ける兆候といえる。

《新聞・通信社の従業員総数(国内)》

 

新聞社の経営悪化は、日本に限らず米国にも共通している傾向だが、そのまま新聞社の存在が消滅してしまうとは、考えられていない。紙媒体からオンラインへの移行はあっても、信頼できる記事やニュースに対する需要は無くならないためだ。

アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏が、ワシントンポストを買収したように、異業種から、新聞社の経営に参画しようとする投資家もいる。彼らが狙うのは、新聞の電子化を進めると同時に、オンラインで新たな収益が築ける仕組みを作ることだ。そこで、新聞社の収益構造やビジネスモデルを変革するための新サービスが各種登場してきている他、「ジャーナリスト」のワークスタイルにも変化が起きて、ニュースの作り方も変わってきた。


この記事の核となる項目
 ●新聞社の収益体質を改善する電子広告収入
 ●広告に代わるブランドジャーナリズムの是非
 ●地方新聞社の再編と広告シンジケーションによる収益化
 ●市民記者による新たな記事制作のスタイル
 ●フリーランス化するジャーナリストの仕事のワークスタイル
 ●アマチュア記者への収入分配モデル
 ●ジャーナリストとメディアのマッチングモデル
 ●市民の協力で支えるニュースメディアの在り方
 ●市民クラウドによる記事制作の支援モデル
 ●電子出版で変わる消費者の購買スタイルと広告マーケティング
 ●広告に翻弄される「雑誌」の収益構造と電子マガジンの行方
 ●新聞チラシ広告に変わるオンラインタイムセールの台頭
 ●著作権料で稼ぐカメラマンと肖像権を売るモデルビジネス


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JNEWS LETTER 2013.9.22
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