JNEWS／スキルシェアリングによる労働市場のセカンダリーマーケット

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スキルシェアリングによる
労働市場のセカンダリーマーケット

JNEWS会員配信日 2013/8/14

　苦労して身に付けた、知識、経験、技術などのスキルは、その人にとって無形の“資産”であり、それを活用したサイドビジネスが注目されている。どんな人にも得意、専門としているスキルはあるものだが、それを本業以外で活用・共有することは「スキルシェア」と呼ばれており、労働市場のセカンダリーマーケットを形成しはじめている。

小売業では、新品を販売する店舗が「プライマリマーケット」であるのに対して、リサイクルショップやネットオークションが「セカンダリーマーケット」にあたるが、その影響力は次第に大きくなり、小売業全体の枠組みまでを変えるようになったことは周知の通り。それと同じことが、労働市場にも起ころうとしている。

その前兆といえる動きは、世界で登場してきている。「TaskRabbit（タスクラビット）」は、家具の組み立て、引越の手伝い、パソコン修理などの軽作業を、個人間で受発注できるプラットフォームとして、米国で急成長している。作業の報酬は、それぞれ得意なスキルを出品している個人が自由に設定しているが、利用者は、専門の業者に依頼するよりも安く済ませることができる。

軽作業を請け負う個人の大半は、他に本業を持っている副業者だが、アルバイトやパートタイムで働くよりも、顧客と直接取引をして料金を得たほうが、時間あたりの労働単価は高くなることから、作業者と依頼者の双方にとってメリットがある。

《タスクラビットによる軽作業の仲介モデル》

　

タスクラビットの中でも、副業者が高収入を得るには、他者よりも付加価値の高い作業内容を提示することが大切だ。たとえば、スーパーへの買い物代行ならば、食品の安全性や栄養価について優れた知識があり、同じ予算でも、質の高い買い物ができる副業者の評価が高くなり、リピート客が付きやすい。

得意なスキルをさらに高めていけば、“軽作業”に限らず、もっと高度な仕事も受注できるようになる。その時には、さらに専門性の高いスキルシェアのプラットフォームが多数登場してくるだろう。

これからの「仕事」は、単調な作業を繰り返してきた職種が次々と消滅して、専門性の高い職種のみが生き残るようになる。そこでの価値が見直されるのは、ＩＴでは代行することができない、長年かけて培われた技術や経験などで、それらのスキルを効果的に活用すれば、副業としても、単価の高い収入を得ることができる。

自分の“得意なこと”を収益化するのに、最もわかりやすいのは、そのスキルを学びたいと思っている人達に「教えること」である。つまり「先生」になることだが、従来は指導者としての資格を取得したり、スクールを開業したりと、個人の副業者にとってはハードルが高かった。

しかし数年前からは、誰もが先生となり、生徒を集められる「ソーシャルラーニング」のプラットフォームが登場してきた。当初は、対面で教えることを前提にして、地理条件の合う生徒とのマッチングをする仕組みだったが、それでは獲得できる生徒が限られてしまうことかとから、現在では、オンラインレッスンの形態が主流になってきている。

　●得意なスキルを収益化できるソーシャルラーニング
　●地元のローカル知識を収益化する視点
　●世界に普及する観光ガイドの副業プラットフォーム
　●現地ガイドを起点とした旅行業界の再構築
　●身近な経験で実現できるツアーガイド業
　●先生とは異なるメンターとしての役割とスキルシェア
　●投資家＋メンターによる起業支援モデル
　●有能シニアのスキルを有効活用したビジネスモデル
　●60代以降の起業者を増やすシニア・アントレプレナー支援市場
　●経験に裏付けされたユダヤ系ビジネスマンの知恵と人脈形成術
　●個人のスキルを伝授、共有するスキルシェアの発想と影響力
　●知的人材が支えるニュージーランドの起業熱とスモールビジネス

JNEWS LETTER 2013.8.14
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 2013年8月14日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料（個人：月額500円、法人：月額１名300円）による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために２週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

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