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   米国の起業者は、およそ2割が55歳〜64歳のシニア層で、70歳以降で起業する人も増えている。その背景には、自宅からでも、小資本、ローリスクで行えるスモールビジネスの選択肢が増えてきたことがある。
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60代以降の起業者を増やす
シニア・アントレプレナー支援市場
JNEWS会員配信日 2013/5/22

 老後の心配はどんな人にもあるもので、「日経マネー」が、現役で働く人達を対象に行ったアンケート調査によれば、回答者の8割以上が“不安”と答えている。特徴的なのは、配偶者の有無、現在の資産額には関係が無く、老後に不安を抱いている点だ。

将来の年金は、どうなるのかわからないし、病気で介護が必要になった時のことなど、資金面の不安材料は数え切れないほどある。貯金はいくらあっても“安心”とは思えないのが実情だろう。

いまの平均的な高齢者(60歳以上)がどんな生活水準なのかを、家計調査の中から紐解くと、夫婦二人の世帯では、毎月の支出が27万円に対して、年金を主体とした実収入は22万円で、およそ5万円の赤字が生じている。

《60歳以上の無職世帯の収入と支出(二人以上の世帯)月額》

 

月々の赤字分は、貯金を崩して賄うことになるが、自分の寿命があと何年なのかわからないことを考えれば、元気なうちはできるだけ働いて、赤字の年数を減らすこと(貯金を減らさない)ことが、老後設計の基本になる。

サラリーマンの定年退職が、65歳までに延長になるとしても、そこからさらに10年間は、現金収入が得られる仕事を持ち続けることが理想である。その根拠は、75歳を超えた頃から、要介護の認定を受ける人が著しく増えてくるためだ。

《要支援・要介護認定者の割合》

 

“老後”に、多額の資金が必要になるのは、介護が必要になってからで、それまでに、できるだけ貯金を増やしておくことが望ましい。さらに、75歳を過ぎても健康なうちは、仕事を持ち続けていたい。

これからの高齢者の働き方には、大きく分けて2種類がある。一つは、パートタイムで働きに出ることだ。最近では、若年労働者が減少していることから、70代でも働けるアルバイト先は探すことができる。

もう一つは、起業をして「自分のビジネス」を持つことである。自宅で行えるスモールビジネスであれば、外の職場で働くようなストレスは少ないし、自分が興味ある分野の仕事(事業)を手掛けることができる。生活費のベースは公的年金に頼り、プラスαの収入を稼げるスタイルがベストと言える。

実際に、欧米では75歳以上の後期高齢者が起業するケースが増えてきており、「シニア・アントレプレナー」または「グレー・アントレプレナー」として注目されている。彼らが具体的に、どんな方法、どんな分野に着目して起業しているのかを紹介しながら、日本での高齢者起業に関わる商機について解説していきたい。


この記事の核となる項目
 ●年齢制限が無い起業へのチャレンジ
 ●シニア起業を成功させるための10項目
 ●シニア向けスモールビジネス開業支援の市場
 ●シニア向けスモールビジネスの成功事例に学ぶ
 ●おばあちゃん起業家のステッキ販売
 ●古着をリメイクしてオンライン販売するビジネス
 ●ベビーブーマー世代が手掛ける高齢者ケアサービス
 ●シニア起業者をサポートするアシスタント職
 ●シニア・アントレプレナーとしての出会いと交流
 ●開業資金を抑えたローコスト起業を実現させるクラウドサービス
 ●オープンな職場と仲間を好むコワーカーとしての就労スタイル


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