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  「コードカッター」とは、従来のテレビ契約を解除して、それよりも番組数が多くて安価なストーリミングTVへと切り替える視聴者のこと。テレビ番組の配信事業には、ネット業界からの参入が相次ぎ、コードカッターの争奪戦が始まっている。
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電波に依存しないテレビビジネス再編と
コードカッター争奪戦
written in 2013/4/20

 「テレビ」は、国民に最も普及しているメディアであり、身近な娯楽であることは、昔も今も変わってはいない。しかし、テレビ放送が開始されてから60年近くが過ぎ、視聴のスタイルにも大きな変化が生じてきた。

NHKが定期的に行っている個人視聴率調査によると、一日のテレビ視聴時間は2011年の時点で 3.7時間、これは10年前とほとんど変わっていない。しかし、その内訳には、大きな違いがある。20代の若者層は、10年前よりも一日あたり45分以上短くなっているのに対して、70歳以上の高齢者は、一日6時間近くテレビを見るようになっている。

《年齢別にみたテレビ視聴時間(一日)》

 

CMを収益源にする民間放送にとって、若年層のテレビ場離れは痛手になる。スポンサーとなる企業は、若者向けの商品を扱っていることが多く、ターゲットの客層が視聴者と合わないようであれば、他の媒体へと広告先を乗り換えるためだ。

さらに、テレビは、アナログからデジタルへの移行が完了して、地上波の他に、BS、CS放送がライバルとして浮上してきたことも、既存のテレビ局を苦しめている。テレビ保有世帯の、およそ1割が有料チャンネルの契約をするようになり、番組の選択肢を増やしているが、見たい番組は厳選して、しかも「自分の都合の良い時に見る」というように、視聴時間は絞り込むようになってきた。

《テレビ視聴契約数の推移(国内)》

 

視聴者が「リアルタイムの放送」にこだわらなければ、既存のテレビ局に限らず、多方面からのテレビ事業への参入もしやすくなる。行政の免許が必要な“電波”を使わなくても、インターネットで番組を配信することが可能になるためだ。多チャンネルから、興味ある番組を選んで録画していくのであれば、テレビより、むしろパソコンのほうが管理しやすい。

米国では、有料のケーブルテレビが全米で5割以上の世帯に普及しているが、数年前から「コードカッター」と呼ばれるケーブルテレビの解約者が増えており、その数は、年間100万世帯以上の規模に膨らんでいる。

この背景には、ケーブルテレビよりも、インターネットからのテレビ視聴のほうが安価で便利になってきたことがある。米国では、数千タイトルの番組をオンデマンド方式で、都合が良い時に視聴できる「ストリーミングテレビ」が普及してきた。



ストリーミングテレビは、他局では見られない海外番組の放映権を多数取得することで、契約者を増やしてきている。今回は、その業界構造や、放映権の取り扱いを解説して、これからのテレビビジネスがどのように変化していくのかを見ていきたい。

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この記事の核となる項目
 ●ケーブルテレビの顧客を奪取するIPTVの動向
 ●コンテンツ力で急成長するストリーミングTV
 ●ニッチな海外番組を配信するストリーミング事業
 ●番組放映権獲得の裏にある業界構造
 ●ストリーミング動画を支える字幕翻訳の仕組み
 ●最速で多言語にローカライズするビデオ翻訳サイト
 ●アーティストとリアル店舗を融合させるストリーミング事業
 ●数十万人が学習するオープン教育サイトの実力と収益モデル
 ●韓国ゲームの日本語化ビジネスにみるライセンス権の価値
 ●ライセンス管理で何倍にも伸びるクリエイター作品の価値
 ●アグリゲーターが変えるコンテンツ業界と知的権利の流通機能


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JNEWS LETTER 2013.4.20
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