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  米国のフードトラックは、厨房設備と集客機能の両方でハイテク化が進んでおり、移動レストランとしての可能性を高めている。フードトラックの製作会社は、飲食ビジネスの起業者をターゲットにして業績を伸ばしてきている。
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固定店舗から「移動店舗」へシフトする
飲食ビジネスのトレンド
written in 2013/2/9

 飲食店の開業計画で慎重に決める必要があるのが、店の立地である。出店地を一度決めてしまえば、オープン後に客足が伸びないからといって、店を移転することは難しい。

日本政策金融公庫の新規開業実態調査によると、飲食業の平均開業資金は約1600万円で、小売業やサービス業など業種よりも、資金面の負担が重くなっている。それでも、飲食店の開業希望者が多いのは、最も身近な職種で、日銭が稼ぎやすいためだろう。日本国内の外食産業全体で、28兆円もの市場規模がある。

《外食市場の内訳(国内)》

 

外食産業は、長期にわたる景気の低迷や震災の影響により、売り上げが下落傾向にあるものの、これからの成長が期待できるのは、ケータリングや宅配サービスなどの「料理品小売業」とみられている。

食事に“超”が付くような豪華さは求めなくなっている反面、“便利さ”についての付加価値は昔よりも高くなっており、料理が手軽にテイクアウトができたり、自宅まで配達してもらえるサービスは、多少割高でも、つい利用してしまうという消費者は増えている。

その点からすると「移動販売」の形態は、今後の有望ビジネスといえる。米国では、トラックを移動店舗とした食品販売(フードトラック)が急成長しており、2012年は6億5千万ドルの市場規模だが、2017年には、その4倍に伸びると予測されている。

成長の要因は、大きく二つが考えられている。一つは、2008年のリーマンショック以降、飲食店も深刻な影響を受けて、経営が成り立たない店が相次いだ。そこで、料理人の中では、「移動販売」へと業態を変えることで、生計を立て直す人達が増えている。

もう一つの要因は、ここ数年で、フードトラックに搭載されるテクノロジーが急速に進歩していることがある。スマートフォンと移動販売の相性は良いため、ツイッターやフェイスブックで出店時間を告知するのはもちろん、客が集まりやすい場所をリサーチしながら、出店地を決めて、攻めの営業スタイルを展開することができる。さらに、各種のモバイル決済サービスを使えば、代金の授受もキャッシュレスで行い、ポイントやクーポンを発行することもできる。



数年前までなら、固定店舗が高額で導入していたPOSシステムさえ、フードトラックが安価で導入できるようになってきた。そのため、これからの移動店舗は、ファーストフードやコンビニの市場に食い込んでくることが予測されている。トラックならば、宅配サービスにも対応できるため、隣接のサービスを広げられるすそ野は広い。

そこで今回は、移動販売車の最新マーケティングやITシステムがどのように進化してきているのかを紹介しながら、中小でも参入しやすい移動ビジネスの商機を探ってみることにしよう。

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この記事の核となる項目
 ●グルメランチを売るフードトラックの顧客特性
 ●人気フードトラックにみる料理の付加価値作り
 ●フードトラックのロケーション開拓ビジネス
 ●進化するフードトラックへの搭載テクノロジー
 ●移動料理人に向けたレンタルビジネスの商機
 ●飲食業以外にも広がる移動ビジネスの可能性
 ●脱マイカー社会で変わる消費者の購買行動と商圏法則
 ●現代版ご用聞きサービスからユビキタスコマースへの跳躍
 ●朝市に群がる消費者心理とフリーマーケット事業への商機
 ●家賃なしで好立地に出店するワゴンショップのビジネスモデル


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JNEWS LETTER 2013.2.9
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