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  いまの60代が目指す余暇の楽しみ方は、若い頃にそこそこ経験した趣味をもう一度再開して、その技術やスキルを中級〜上級へと高めたいという気持ちがある。米国では、ベビーブーマー世代に向けたスポーツスクールが人気になっている。
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ベビーブーマーを優良顧客として
取り込むための視点と発想
written in 2012/10/3

 ベビーブーマー世代(いまの60代)の人達は、新たな娯楽や余暇活動を開拓することにも強い関心を抱いている。旅行についても、これまでの「観光旅行」とは異なるスタイルが好まれている。

それまでのシニア世代には、観光名所を巡る旅行プランが喜ばれたが、ベビーブーマー世代は、より外国を身近に感じられる、観光スポットではない場所へ行くことを好む。そこで何らかのチャレンジができる活動があると良いとされている。たとえば、体への負担が少ないアウトドア・スポーツなどが人気だ。

彼らは、自分自身がまだまだ「若い」と考えているため、シニア向けの旅行パックの人気は低くて、若い頃に経験したスポーツの技術を磨けるようなツアーへの需要が見込まれている。

コロラド州にある「Bumps for boomers」は、ベビーブーマー世代を対象にしたスキー教室で、講師も同世代の50〜60代が多い。レッスンの内容は、コブのある急斜面を高度なテクニックで滑走するモーグルスキーが中心で、もともとスキーの経験がある人が、中級〜上級者になることを目指し、かつ、できるだけ疲労が少ない滑り方を指導して、70代、80代になってもスキーが続けられる技術の習得を目標にしている。

レッスン料金は、4日間のコースで1,348ドル(約10万円、交通費・宿泊費は別)と決して安くないが、スキーの技術を磨きたい60代にとっては、これ位のほうがチャレンジしたくなる、という設定だ。




50〜60代向けに、本格的なスポーツレッスンが登場してきている背景には、若者の人口減少や収入低下の影響がある。マリンスポーツの業界でも、これまでは若者をターゲットにマーケティングを行ってきていた。しかし、マリンスポーツはお金がかかることもあり、景気は低迷。そこで、経済的に余裕がある中高年者をターゲットにするメーカーや販売店が増えてきている。

ベビーブーマー世代で「若い頃はサーファーだった」という人は少なくないが、50代を過ぎてサーフィンに再トライするのは、体力的な負担も大きい。そこでサーフィンよりも気軽に楽しめる「カヌー」や「カヤック」を、新たなマリンスポーツとして仕掛けてきており、中高年者の間でブームが起きている。

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この記事の核となる項目
 ●戦後の豊かさを経験したベビーブーマー世代の実像
 ●日米に共通した60歳世代の家族内における役割
 ●100万ドルを目指すリタイアまでの資産形成
 ●二極分化する米国世帯の保有資産について
 ●ベビーブーマー世代の新ワークスタイルと新人材ビジネス
 ●「ブーマープレナー」としての成功者達
 ●ロクマル世代を狙う旅行・アウトドア業界の視点
 ●特別なパーソナルサービスへの潜在ニーズ
 ●米国シニアが起業するスモールビジネスの仕組みと仲介業者
 ●少子高齢化で求められるワークスタイル改革の切迫した事情
 ●団塊オヤジはなぜハーレーダビッドソンに夢中になるのか?
 ●欧米の富裕家族から学ぶ家事代行サービスの種類と活用方法


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