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  無料で教育カリキュラムの一部を公開することで、多くの人達に学習の機会を与えることは「オープンエデュケーション」として、名門大学に広がっている。授業料を払う正規カリキュラムの入門編として、無料のオープン講座には数十万人もの受講者がある。
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高騰する大学授業料と対峙する
オープンエデュケーションの波
written in 2012/11/27

 サラリーマンの平均収入は年々下落、様々な商品やサービスの価格(物価)も下がってきてるが、それとは関係なく上昇しているものに、「大学の授業料」がある。1990年には、国立大学の授業料は33.9万円、私立が61.5万円だったのが、2011年には、国立53.5万円、私立85.7万円にまで値上がりしているのだ。

《大学授業料の推移(国内)》

 

大学の授業料が毎年のように値上げされていくことの背景には、公的な助成に頼らず、大学経営の独立採算が求められるようになってきたことや、少子化により、学校の施設を維持していくための経費を、少ない生徒数で分担しなくてはいけないこともある。

米国の大学になると、さらに状況は厳しくて、リーマンショック以降は大学の基金が目減りしていることもあり、生徒が負担する学費は年々高騰して、公立の大学でも年間100万円以上、私立ならば 300〜400万円以上をみておく必要がある。名門大学ほど、学費は高くなる傾向があるため、学生の6割が返済義務のある奨学金やローンを抱えており、その負債額は平均で4万ドルと言われている。

《米国の名門大学へ通うのにかかる学費(2012年)》

 

そのため、多額の借金を抱えてまで大学に行く必要は無いのではないか?という考えも浮上してきた。いまの時代、やる気さえあれば「学ぶ」ための方法は、他にもいろいろ見つけられる。大学へ進学しなければ得られないのは「学歴(学位)」だが、そこさえ割り切ってしまえば、もっと安価に学べる方法はたくさんあるのだ。

一方、大学側にとっても、経済的な理由によって優秀な学生に門戸を閉ざしてしまうのは惜しいことから、通学が難しい場合にはオンラインコースの受講を勧めてきたが、最近はそこから進化した「オープンエデュケーション」というフリーのカリキュラムが登場してきている。


これは、ビデオ撮影した大学の講義などをネットに公開して、無料またはわずかな金額で受講できるようにしたもので、実際に教室で講義を受けることよりは劣るものの、授業の内容はビデオからでも十分に把握することができる。ビデオを含めて、電子化された教材コンテンツの配信や複製にかかるコストはほとんどかからないことから、近い将来には、オープンエデュケーション型の指導が広がっていくものとみられている。

ただし、完全に無料で講義を公開するだけでは、大学の収益にはならないことから、従来とは異なる教育モデルが考案されている。今回はその仕組みを紹介しながら、そこに参入できる事業者の役割と商機について解説していきたい。

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この記事の核となる項目
 ●無料公開される名門大学の授業と、その目的
 ●オープンエデュケーションを支えるプラットフォーム事業
 ●MOOCで変わる高度教育の手法と方向性
 ●MOOCプロバイダーが模索するビジネスモデルと収益構造
 ●オープンエデュケーションの問題と影響
 ●フリー教材を活用した新たな学習スタイル
 ●学習専用電子書籍リーダー開発への商機
 ●米国ホームスクーラーにみる英才教育の始め方と情報収集力
 ●大学進学の資金を稼ぐためのスモールビジネスと起業支援策
 ●名門大学を目指す米国家庭の資金調達法と逆留学による裏技
 ●公立教育の崩壊で多様化する米国教育ビジネスと受験勉強


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