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  太陽光発電への需要が高まる中で、ソーラーパネルを施工できる業者の数が不足している。その一方で、各パネルメーカーの生き残り競争は激しく、どのメーカーの指定施工店になるのかにより、将来の明暗が分かれる。
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新規開業者を増やしたい
太陽光発電ビジネスのID制度と業界構造
written in 2012/9/1

 震災以降、国民のエネルギー問題に対する意識は高くなり、太陽光発電に関心を示す人は増えてきている。一般家庭が購入する耐久消費財といえば、以前はテレビ、パソコン、マイカーなどが主役だったが、最近では「太陽光発電システム」が売れ筋だ。

住宅金融支援機構の統計(平成23年度)によると、新築の戸建住宅では、17.5%(およそ6件に1件)の世帯が、太陽光発電システムを設置している。それ以外でも、近い将来の設置を視野に入れて、太陽光パネルが付けやすい屋根の設計をしている新築住宅は多い。

しかし、日本の戸建住宅すべてを対象とした太陽光発電の普及率は、まだ5%にも満たない状況で、経済産業省は、今後十数年の間に1000万戸にまで伸ばそうとしている。その根拠となるデータとして、国内には2700万戸の戸建住宅があるが、その中で、築30年以上が経過した古い住宅、屋根の形状が複雑な住宅などを除いて、太陽光発電が設置可能な住宅は1200万戸あると算定している。

《住宅太陽光設備の潜在市場(国内)》

 

太陽光発電の普及は、政府や自治体が関連の助成制度を厚くすることにより、推進することができ、2020年代までに、毎年90万戸のペースで導入世帯を増やしていくことを目標に掲げている。そこに向けては、大手の住宅メーカーや地域の工務店なども着目、エコリフォーム分野に参入してきている。

しかし、成長市場の太陽光発電ビジネスも、世界では既に大波乱が起きている。2006年頃まで、日本の太陽光発電部材は、技術的にも生産量も世界でトップクラスだったが、現在は中国メーカーのほうが圧倒的に上回っており、その発電量でみると世界シェアの5割を超すまでに成長してきた。それに伴い、太陽光パネルの生産は過剰供給になっており、原材料の取引価格は1年間で40〜70%も下落しているのだ。

《太陽光発電部材の下落率(2011年》

 

太陽光パネルの製造工程は、半導体メモリや液晶パネルと似ている面があり、新しい工場が次々と稼働すれば、生産調整をすることが難しくて、日々の在庫が堆積して値崩れを起こしやすい。これは消費者にとって「太陽光発電を安価に設置できる」というメリットをもたらすことになるが、販売や施工を手掛ける業者にとっては、価格の変動が激しくてリスクの高い事業になってしまう。

そのため、太陽光発電への需要は高まる中でも、該当の業者は、市場の変化によりビジネスモデルは軌道修正していく必要がありそうだ。日本の太陽光ビジネスは、これからがバブル本番という状況で、そこに参入することの商機は見込めるものの、やがてバブルが崩壊することも視野に入れて、事業計画を練ることが望ましい。では、この業界がどんな構造になっているのかを見ていこう。

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この記事の核となる項目
 ●IDで管理される太陽光発電ビジネスの業界構造
 ●太陽光発電システムの集客ルートと採算の関係
 ●中小ソーラ業者が依存する集客代行業者とは
 ●独自ブランドによるソーラービジネスの展開
 ●補助金+売電による投資モデルの損得勘定
 ●ドイツ・ソーラ業界の破綻はなぜ起きたのか?
 ●太陽光発電ビジネス崩壊のシナリオ
 ●売電型ソーラビジネスが電気代を割高にするカラクリ
 ●公的資金が先導するグリーンビジネスの盛衰とライフサイクル
 ●急いで充電するほど割高になる電気自動車の燃費コスト
 ● マイホーム資産を守れ!目減りする"我が家"の担保価値


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■この記事に関連したバックナンバー
 ●公的資金が先導するグリーンビジネスの盛衰とライフサイクル
 ●原子力に頼らない電力ビジネスと節電市場(太陽光発電の採算)
 ●住宅の資産価値を高めるソーラーリフォーム市場への関わり方
 ●急いで充電するほど割高になる電気自動車の燃費コスト
 ●太陽光自家発電システムのスペシャリスト育成と紹介ビジネス
 ●エネルギーの無駄をカットして収益化する省エネビジネス