経歴詐称を見破る信用データベースと身分証明カードの商機

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転職回数が多くなると、新たな就職先に提出する履歴書の内容が少しずつ不正確になり、その人の経歴を客観的に確かめられる仕組みが求められている。米国では、就職時のバッグラウンドチェックが普通に行われている。

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経歴詐称を見破る信用データベースと
身分証明カードの商機

written in 2012/5/28

　米国の企業では、新たに従業員を雇う際のバックグランドチェックが当然のように行われている。その内容は、履歴書の記載が事実であるかを中心として、犯罪歴、破産歴の有無、クレジットカードの使用状況にまで及んでいる。

これは、採用した従業員の不正により、企業が損失を被ることを未然に防ぐ目的がある。米国の小売業界では、従業員の窃盗だけで 190億ドルもの損失があると言われているほど。

そこで、求職者の信用状況を調べられるデータベースが多数存在しており、企業の採用担当者は、それらのサイトにアクセスして、該当する個人情報を引き出すことができる。データベースに登録されている個人情報は、州政府などが開示している公的データを集約したものだ。

代表的なサイトには「US Search.com」があり、調べたい人物の、名前や電話番号を検索すると、以前に住んでいた旧住所～現住所の履歴、犯罪歴、結婚歴、破産歴などを調べることができる。検索サービスの利用は有料で、入手したい情報の種類によって１件あたり１ドル～34ドルの設定になっている。その人が履歴書に記載している氏名や住所が正しいかを調べる身元確認だけなら安いが、犯罪歴や破産歴なども含めた情報になるほど、高額になる。

また、その人の経済状況を把握するために、クレジットスコアを検索することもある。米国では、クレジットカードの利用状況を点数化して、誰でも調べられるようにしているため、そのスコアで個人の信用状況が評価される。就職の際にもクレジットスコアは調査されており、支払いの延滞歴が多くてスコアが低ければ採用不可の要因になる。

こうした就職時のバッグラウンドチェックは、企業が応募者に無断で行っているわけではなくて、履歴書を受け取る際に、身元調査に承諾する旨の確認をするのが一般的。応募者は拒否することもできるが、それは「調べられては困ることがある」という印象を与えるため、その会社に入社したいのであれば、承諾するのが通例だ。

ただし、いまの身元調査で使われる情報は、犯罪歴やカード支払いのトラブルが無いことなどを示す内容が大半であり、仕事の経歴やスキルを詳しく確認することや、正確な健康状態を把握できる“身元証明”の仕組みが求められている。

　日本でも、就職採用時に身元調査をしたいというニーズは高まっている。終身雇用制が崩れる中、転職を頻繁に繰り返すようになれば、過去の職歴を履歴書に詳しく書くことは難しくなり、悪気は無くても、都合の悪い経歴を省略する人は多くなっているためだ。

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JNEWS LETTER 2012.5.28
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 2012年5月28日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料（個人：月額500円、法人：月額１名300円）による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために２週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。

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