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  日本の伝統的な「福袋」が、海外で人気となっており、ブランドメーカーやアパレルショップなどがオリジナルの福袋を売り始めている。さらに、福袋の仕組みをソーシャルショッピングへ進化させたビジネスも登場してきている。
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福袋が進化したラッキーバックによる
ソーシャルショッピング
written in 2012/4/2

 百貨店の売り上げが伸び悩んでいる中でも、年に何度かは「やはりデパートでなければ」と来店客で賑わう時期がある。その典型は、お中元やお歳暮などの贈答品を買うシーズンと、「福袋」を買い求めるための行列だろう。

福袋の起源は江戸時代と言われ、「百貨店」の前身である大手の呉服屋が、服地の裁断で生じた色々な柄の切れ端を、一つの袋に入れて販売したことが始まりと言われている。切れ端といっても、高級な呉服屋が取り扱う生地は上質であることから、庶民からの人気は高かった。

その伝統から、日本の老舗百貨店は、いまでも新年に必ず福袋を売り出しており、袋の中身も、店の信用をかけた品揃えをしていることから、当日に売り出せば、数分で売り切れてしまうほどの人気がある。それに習って、家電量販店、個人経営のブティック、ファーストフード店までも、福袋セールを実施するようになってきた。

中に何が入っているか、わからないのが福袋の楽しみではあるが、最近ではできるだけ買いやすいようにと、袋詰めされている服のサイズを明記したり、商品のカテゴリー別に袋の種類を細分化するなどの配慮もされている。

一方、消費者も、購入した福袋の中にある不要な商品については、友達とスマホで交換の相談をしたり、ネットオークションに出品するなど、再循環や転売の賢い方法を生み出してきている。こうした買い物の技(ワザ)は、男性よりも女性のほうが考案するのが上手くて、福袋の売上が年々伸びていることから、ブランドメーカーでも、その購買特性や採算について研究しはじめている。

《福袋の基本的な仕組み》

  

「福袋」は日本発祥の文化だが、海外でも「LUCKY BAG(ラッキーバック)」として、新店舗の開店やクリスマスシーズンに売り出すようになってきている。袋の内容を厳選することにより、消費者から「あの店のラッキーバックを買って損は無い」という評判が立てば、バックを買い求める行列ができて、さらにSNS口コミを広げることができるため、下手な広告を打つよりも集客効果は高い。

もともと、福袋(ラッキーバック)は、年に一度か二度の限定品という位置付けだが、購入者にとっては“宝くじ”のようなゲーム性があり、買い物としても割安感があることから、これを通年による定番商品としたビジネスも考案されてきている。


メーカーやショップにとっては、こちらが売りたい商品を詰め合わせることができるため、新たなアウトレットセールの新手法として成長してきている他、固定客を会員として組織化した、定期購買型のビジネスモデルも登場して、欧米では関連のショップが急増している。その仕組みを詳しく解説していこう。

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この記事の核となる項目
 ●フラッシュセールから派生するラッキーバック
 ●福袋商法とソーシャルコマースの融合
 ●欧米で急成長するサブスクリプション・コマースとは
 ●サブスクリプション型通販モデルの解説
 ●返品可能な靴販売のサブスクリプションモデル
 ●限定アクセサリーを毎月発売するサブスクリプションショップ
 ●サンプル化粧品の定期発送〜フルサイズ商品の販売モデル
 ●250万人の会員顧客をベースにした新ブランド展開
 ●サブスクリプション機能のプラットフォームビジネス
 ●サブスクリプション型のプレゼント販売モデル
 ●素人ブログに着目するファッション業界のブランド構築術
 ●新聞チラシ広告に変わるオンラインタイムセールの台頭


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