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  エコ技術の開発競争により破れるベンチャー企業がある一方で、「グリーンジョブ」と呼ばれる新職種が多数登場してきている。米国はグリーンジョブにより350万人の新雇用を生み出すことを目標にしている。
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グリーンジョブによって生み出す雇用と
新たなスペシャリスト
written in 2012/3/4

 日本で働く現役の労働者は、国民全体の56%にあたる約6200万人。その内訳を業種別にみると、製造業と卸売・小売業が各1000万人、次いで医療・福祉業界が680万人の雇用を生み出している。一方、IT業界(情報通信)で働くのは190万人(全体の3%)で、最新の情報テクノロジーを開発することは、必ずしも雇用の創出には結びついていない。むしろITが次々と労働者の職を奪っているという指摘もあるだろう。

《業種別にみた日本の労働人口(総務省調査)》

  

これまで、雇用の受け皿となっていた製造業や小売業が、新興国とのコスト競争によって衰退してきている状況を踏まえると、それに代わる新たな産業を育成することが「労働者を守るため」にも重要な課題になる。

そこで、政府が新産業として掲げている分野に「環境ビジネス」がある。環境省の試算によると、2010年には 47兆円の市場規模があり、110万人の雇用を生み出していることになっている。ただ、それが今ひとつピンと来ないのは、「環境」が独立した一つの業種ではなくて、既存の産業に、新たな義務や付加価値として組み込まれているためだろう。

米国でも、環境ビジネスへの取り組みは急拡大しており、オバマ政権が2008年から推し進める「グリーン・ニューディール政策」では、総額でおよそ7800億ドル(72.8兆円)もの資金を投じて、環境・エネルギー分野の技術開発や新サービスの普及に取り組んでいる。

この計画では「350万人の雇用を生み出すこと」も掲げられており、確かに該当の職種も増えてきている。環境関連の専門技術やスキルが必要な仕事のことは「グリーンジョブ(Green job)」と呼ばれて、求人倍率が高くなってきているし、自営業者が手掛けるスモールビジネスでも、「グリーン」をキーワードにすることが付加価値として強みになっている。

ただし、今後のグリーンビジネスが順風満帆かといえば、そうとは言い切れない面がある。他の業界と異なるのは、政府が市場拡大の牽引役として、多額の補助金や助成金を支給しているため、グリーンビジネスの創業当時は、潤沢な資金によりスタートできるが、公的な支援が打ち切られた直後から、継続が困難になる事業が少なくない。


また、環境分野の技術開発は「デファクトスタンダード(業界標準)」の座を勝ち取ることが、生き残りの条件であり、ライバルとの競争に敗れた技術は消え去っていくのが宿命。そのため、中小企業や個人事業者が、いま話題になっている「夢の新技術」に全力で飛び付くことにはリスクがある。

グリーンビジネスへの関わり方は多種多様であり、市場の風向きを上手に読みとりながら、臨機応変に自社(自分)の専門性を築いていくことが理想だ。では具体的に、どんな専門性の磨き方があるのかを、米国のグリーン業界がどのような構造になっているのかを解説しながら、考えていくことにしよう。

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この記事の核となる項目
 ●夢のグリーン新技術〜夢のその後
 ●公的資金をアテにしたグリービジネスの結末
 ●家電業界に似たグリーンビジネスのライフサイクル
 ●太陽光発電ビジネスの業界構造(FC方式)
 ●FC加盟による太陽光発電ビジネスの開業モデル
 ●グリーンビジネス専門家を養成する業界構造
 ●米国におけるソーラーインストーラー育成経路
 ●既存職種にグリーン付加価値を与える方法について
 ●エコツーリズムで生まれる観光業界の新職種
 ●モノ作り立国の頭脳となる研究者の育成と資金調達ルート
 ●原子力に頼らない電力ビジネスと節電市場(太陽光発電の採算)
 ●スローライフ志向のエリート客を取り込む持続型レストラン
 ●ブランドエコバッグに群がるグリーンコンシューマーの実態


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