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  米国の教育現場では、子どもの才能開発として「読書教育」に力が入れられている。一般に出版されている本の難易度を26段階にランク分けして、子どもの読解力に合う本を読み進めていく教育が広がっている。
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熟考型へとシフトする
米国の教育市場と読書用レベルブック
written in 2011/8/19

 米国では公立の学校であっても、一人ひとりの能力にあわせた課題を与えるようにしている。学年が同じでも、個々の能力が違っていることを前提に授業が進められているのだ。そのためには、学習で使う教材にも工夫がされている。

たとえば、幼稚園や小学校の低学年から、文章の読解力を高めるための読書教育が理論的に行われている。子どもの読解能力を判別して、そのレベル(AーZの26段階)に適合する読書用の本を与えて、文章を読むことや、内容を把握する練習などをさせるのだ。

読書嫌いの子ども達に多いのは、実力よりも易しすぎる本を与えられて、本人の挑戦意欲がそがれたり、逆に、本の内容が難しすぎて、読書への拒否反応が出てしまうことである。そのため、本人の読解能力を正しく把握して、自分でつかえずに読める程度の本を渡すことが重要という考え方が広がり、子ども向け書籍を26段階のレベルに仕分けする作業が各所で行われている。

この「AーZまで26段階の本」は、もともとIrene FountasとGay Pinnellという2人の研究者によって提唱されたもので、彼らのレベル分けは「Fountas and pinnell(F&P)方式」と呼ばれている。その他にも、reading recovery 方式やDRA方式などのレベル判定プログラムが登場している。

これらは、読書教育用の特別な本ではなくて、既に広く出版されている膨大な書籍を、文章や内容の難易度に応じて26段階に仕分けする方式のため、子ども達は(幼稚園〜高校生まで)は自分が興味ある分野の本を、レベルに応じて読み進めていくことができる。

その中で、Heinemann(ハイネマン)という出版社では、「Fountas and pinnell」の公式な認定を受けて、フィクションやノンフィクション1万6千タイトル以上の本を26段階にレベル分けをして販売している。購入者は、子どもがいる一般家庭の他に、小中学校や図書館なども含まれている。

《読解レベルに応じた子ども向け書籍の売り方》

  



読解力に応じたレベル分けの動きは、児童書に限らず、昔から知られている絵本や、ナショナル・ジオグラフィック社の科学雑誌も、レベル別にリライトされ、豊富なカラー写真と共に、読む練習ができるものが販売されている。また、米国でも人気のあるポケットモンスターにも、読書レベルの表記がされた翻訳本が出版されている。

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この記事の核となる項目
 ●段階別にステップアップする米国の読書教育
 ●書籍資産をレベルブックとしてDB化する事業
 ●読解レベルに応じた子ども向け書籍の売り方
 ●生徒の学力に応じてカスタマイズする宿題メニュー
 ●カスタマイズされたオンライン宿題の仕組み
 ●集団教育に馴染まないワケありのギフテッド
 ●“苦手”を克服させる新たな教育スペシャリスト
 ●米国のホームスクールと放課後教育市場
 ●名門大学を目指す米国家庭の資金調達法と逆留学による裏技
 ●子供への投資として考える高級教育ビジネスの特徴と成長分野
 ●眠れる天才児を発掘・育成する教育ビジネスと潜在市場


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JNEWS LETTER 2011.8.19
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