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  海外では住宅スペースに余裕があるため、自宅に友人を招いたホーム・パーティーを開く習慣があり、SNSの友達リストから案内を送るケースも珍しくなくなってきた。 そうした事情から、ホームパーティをダイレクトセリングの販路として活用するビジネスモデルが登場してきている。
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ソーシャルな友達人脈を販路とした
ホームパーティビジネス
written in 2012/1/8

 インターネットで商品を売る仕組み(eコマース)は十数年前から開発されて小売業界に革命を与えたことは周知の通り。いまでは、書籍から航空チケットまで、あらゆる商品をネットで購入できるようになり、経済産業省の「電子商取引に関する市場調査(平成22年)」によると、国内のeコマース市場(B-to-C)は7.8兆円という規模にまで成長している。

しかし、eコマースは、集客を検索エンジンに頼っていることもあり、どうしても価格重視の売り方になってしまう。実店舗を構えることなく、昼夜を問わずに販売できるのが魅力だが、Webサイトの後方では、注文メールへの個別対応や、商品の梱包作業をする負担が大きくて、薄利+労働集約的なビジネスとしての側面も見えている。

消費者にとって、ネット通販はとても便利で、生活に欠かせないものになっていることから、今後もeコマースの市場規模が拡大していくことは間違いないだろうが、どんな商材でもネット販売を主力にするのがベストと言うわけではない。

情報発信や集客のためにネットは使うとしても、最終的にはリアルに対面したほうが売りやすい商材はたくさんあるし、価格競争に陥りがちなネット通販の欠点を補完するための販売方法も開発していく必要がある。

これからの小売業として成長が見込まれるのは、「ノンストア・リテイリング(無店舗販売)」の分野だが、じつはネット通販はその一つに過ぎない。欧米ではノンストア・リテイリングの業態として、次の4分野が注目されている。その中の「インターネット・リテイリング」以外は、古くからある業態だが、そちらでもSNSやスマートフォンとの連携により、新たな小ビジネスモデルを開発することができる。

《ノンストア・リテイリング(無店舗販売)のカテゴリー》

●インターネット・リテイリング
    eコマース、ネット通販のこと。顧客とは非対面のまま商品説明、注文、決済、商品発送までを完結させる。
●ダイレクト・セリング(direct selling)
    販売者が店舗以外の場所で、直接消費者に物品やサービスを販売する方法。主に個人宅や職場で行われ、複数の消費者を相手としたパーティープラン、マンツーマンでの消費者に対するデモンストレーションなどがこれに入る。
●ベンディング(vending)
    もともとは「行商」という意味だが、現在ではいわゆる自動販売機による無人販売が主流。いまは飲料水やタバコの自販機シェアが高いが、それ以外の商品やサービスの販売にも活用することが注目されている。ATM機による銀行の無人店舗もベンディングの事例といえる。また、移動販売車による「行商」もこのカテゴリーに含まれる。
●ホーム・ショッピング
    メールオーダー・カタログ、テレビのショッピング番組、ダイレクトメールを通して、消費者に物品を販売する。ネット通販のように購入目的が定まっていない消費者に対して、魅力的なカタログや番組を見せることで、衝動買いを誘えるのが利点。
英国の市場調査会社、ユーロモニター・インターナショナル社によれば、2009年の時点で、世界52ヵ国の無店舗販売による収益の合計は 5,910億ドル(約47兆円)にのぼる。その中でも大きな割合を占めるのは「インターネット・リテイリング」だが、他のカテゴリーでも、新たな売り方が開発されて、ニッチな商材を中心に成果を収めている。それが具体的にどんな仕組みなのかを解説していこう。

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この記事の核となる項目
 ●リアルな友達との交流を販路とする売り方
 ●ホームパーティによる新製品プロモーション例
 ●参加者を楽しませて売るパーティープラン
 ●化粧品の販促を目的とした香水パーティの報酬制度
 ●無人で職域販売をするディスプレー・ボックス
 ●ネットとの連携で成長するモービル・フードトラック市場
 ●移動販売を進化させたトラベリングショップ
 ●巡回型トラベリングショップの集客ルート
 ●サブスクリプション型eコマースへの着目
 ●サブスクリプション型通販の仕組みについて解説
 ●試供品提供による顧客との対話とSNS対策
 ●年商2兆円、800万人が参加する組織販売の実態と仕組み
 ●現代版ご用聞きサービスからユビキタスコマースへの跳躍
 ●デジタル時代の置き薬商法、超流通ビジネスの仕組みと収益構造
 ●ロハスに向けて流行る量り売り商法にみる小売店の新たな役割


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