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  米国では、高校生で「自分のビジネス」を持つハイスクール起業家が増えており、地域の商工会議所なども奨励している。背景には、リーマンショック以降、大学の学費が高騰しているため、その資金を稼ぐという目的がある。
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10代で「自分のビジネス」を持つ
ハイスクール起業家の台頭
written in 2011/11/17

 ハローワークへ行けば、中高年の失業者が溢れている状況を見て、現代の世相を把握することができるが、それよりもさらに深刻なのは「若者の働き先が無い」ということである。高校を出て、就職を希望する若者(高校新卒者)の内定率は、卒業式のシーズンになっても8割という状況。しかも、せっかく決まった就職先も、入社から3年以内に約半数が辞めてしまう。

若者の就職市場では、新卒で入社した会社を3年以内に辞める確率が、中卒者の場合で7割、高卒者は5割、大卒者が3割というのが実態のため「七五三退社」とも言われている。一度会社を辞めた後の再就職はさらに難しくなり、フリーターやニートの立場になってしまう若者(15〜35歳)は、厚生労働書の調査では、約240万人とみられている。

ただし“若者弱者”の傾向は、日本特有のことではなく、むしろ欧米のほうが深刻だ。日本では、25歳未満の失業率が7%であるのに対して、欧州は20%、米国は15%となっている。(詳しくは2011.10.18号で解説)

《欧州の若者失業率(25才以下)2010年》

  

古参の中高年社員が多く在籍している会社では、“自分の席”を譲りたがらないため、若手の新人が就ける席はどうしても少なくなってしまう。その点では、既存の大企業よりも、新興ベンチャー企業のほうが若手の活躍できる場はあるが、会社の規模は小さいために、求人数はそれほど多くない。

そこで米国では、高校や大学の在学中から「起業することを」を奨励する動きが出始めている。10代、20代の頃から「自分のビジネスを持つ」という思考を身につければ、若者が実力を発揮できる場は広がるし、その中から成功者が登場して企業に成長すれば、新たな雇用も生み出すことができる。

  

日本では、失業者に向けた対策予算として年間数千億円を投じているが、その大半は「会社に勤めること(雇用されること)」を支援する内容である。しかし終身雇用が崩れた労働市場の中では、新たに職が決まる「入職率」よりも、短期で解雇されたり、辞職する「離職率」のほうが上回ってしまうため、就業対策の投資としてはマイナスの成果になってしまう。それよりも、若者の自営業や経営者を増やすことに資金を投じたほうが、プラスの効果が得られるはずである。

実際に、25歳未満の若者で、自営業や会社経営をしている者は、同年代の働いている人(有業者)全体に対して、わずか1%に過ぎない。その数をどのように増やしていくのかが、今後の労働市場にとって課題であり、米国では、大学生よりも若い、高校生に対しても具体的な起業支援が行われるようになって、そこからユニークなビジネスも登場してきている。

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この記事の核となる項目
 ●アルバイト感覚で起業する米国の高校生
 ●日米の年齢層にみた自営業者、経営者の内訳
 ●米国で増えるハイスクール起業家の事情と利点
 ●ハイスクール起業に適した事業テーマ例
 ●地域と密着した若者への起業教育の仕組み
 ●地元商工業者による10代起業家の支援モデル
 ●大学の寮をオフィスにした学生起業モデル
 ●資本をかけないスモール起業からのFC展開
 ●悲惨指数からみた不満への衝動と世界で深刻化する失業問題
 ●豆腐の引き売り行商人と米ストリートビジネスの対比と是非
 ●貧しさから抜け出す知恵を与えるヒップホップビジネス
 ●教育の格差社会で学生ローン化する奨学金の実態と問題点


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JNEWS LETTER 2011.11.17
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