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  健康や安全に配慮されたオーガニック野菜中心の食生活はしたいが、料理に費やす時間がなかなか作れない。そんな人達をターゲットに、オーガニック素材のインスタント食品を主力にする米国のスーパーが業績を伸ばしている。その売り方には、日本のスーパーとは違った独自のアイデアや工夫がある。
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健康と手軽さを備えた
インスタント・オーガニックの新市場
written in 2011/10/11

 自分や家族のために、毎度の食事にはできるだけ安全な食材を使いたいと希望するのは、世界の消費者に共通した傾向であり、懐に余裕のある世帯であれば、多少割高な価格でも「オーガニック」や「有機栽培」の表記が付いた野菜を選ぶようになっている。

最近の10年で、米国のオーガニック市場が飛躍的に拡大しており、米オーガニック取引協会(OTA)の統計によれば、2000年の売上規模(米国内)は 61億ドルだったのが、2010年には 267億ドル(約2兆円)にまで伸びている。ただし、この数字は、米国食品市場全体でみれば、まだ4%にしか過ぎないものだ。

《米国オーガニック食品の成長推移》

  

オーガニックで栽培された農作物は、普通の作物と比べて、同じ耕作面積でも収穫量は少なくて、その分だけ割高な価格になってしまう。そのため、これからすべての食糧がオーガニックに切り替わるとは考えにくく、「安全で健康な食生活がしたい」という、特定の客層に絞り込んだ販売戦略を立てていく視点が大切になる。

たとえば、夫婦共働きで世帯年収が高い家庭には、「ゆっくり時間をかけて毎日の料理を作っている暇が無い」という悩みがある。もともと、米国の主婦は、日常の料理に手間をかける習慣が薄いため、せっかく新鮮な有機野菜を産直で購入しても、その素材を上手に活かせなかったり、余らせているケースが少なくない。

そこで、これから更にオーガニックの市場を拡大していくには、できるだけ調理が簡単で、保存が利くような食材を開発していくことが重要で、レトルトや冷凍に加工されたオーガニック食材、すなわち、「インスタント・オーガニック食品」という市場が、米国で形成されてきている。

従来のインスタント食品といえば、調理の手軽さから需要が急拡大してきたが、そこにも、多少は値段が高くても構わないから、オーガニックを求める消費者が増えてきているのだ。

一方、生産者の立場でも、生鮮品としてのオーガニック食材は日持ちがしないことから、商圏や販路が限られていたが、加工食品にすることで、その問題を解決することができる。しかし、米国メーカーの食品は味覚にまでこだわったものは少なくて、そこに日本からの参入商機が見込めそうである。いま米国で成長の芽が生まれたばかりの新市場で、日本の食品を売り込むための視点や方法について考えてみよう。

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この記事の核となる項目
 ●手軽さを求める米国のオーガニック事情
 ●健康志向へ向かうインスタント食品の開発商機
 ●商圏と販路を拡大するオーガニック業者
 ●オーガニックインスタント食品の販路解説
 ●インスタントで賄う米国のお弁当事情
 ●健康付加価値をつけたオーガニック宅配食
 ●ヘルシーフードとしての日本食の潜在市場
 ●ネットとの連携で急成長するモービル・フードトラック市場
 ●ヤワな日本人には太刀打ちできない一触即発の食糧危機
 ●感動をウリにする第5次ビジネスの正体と消費者の欲求願望
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