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  ヒット商品を生み出すための仕掛けとして、商品企画の段階から消費者に参加してもらい、共同で開発を進める方法は「ソーシャルプロダクト開発」と呼ばれており、ユニークな商品が次々と登場してきている。それが、具体的にどんな開発の流れなのかを解説。
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ユーザー参加で需要を先読みする
ソーシャルプロダクト開発
written in 2011/9/26

 日本で「ジャストインタイム(just-in-time )」という言葉が使われるようになったのは、40年以上前の1970年代にさかのぼる。もともとはトヨタ自動車が、部品の調達から車体の組み立てまで、「必要なものを、必要なときに、必要な数だけつくる」方法として普及させたことが起源とされており、当時はその情報伝達方法として、部品箱の一つずつに在庫数の書かれたカンバンを掲げていた。

そして、箱の部品を使い始めるタイミングで、カンバンを外して部品工場に返送する。受け取る工場では、そのカンバンが返却されないうちは部品の再生産を行わないことがルールのため、余分な部品を作りすぎてしまうことがない。これが有名な「カンバン方式」である。

当時としては、自動車の生産に使われる数千種類の部品在庫を管理できるノウハウとして画期的なものであった。もちろん今では、手書きのカンバンがコンピューターによる在庫管理へと進化して、世界の自動車メーカーが同様の生産体制をとっている。

それ以外の業界でも、ジャストインタイム方式のビジネスモデルは広く採用されるようになり、コンビニ店舗、ファミリーレストラン、アパレルなどの業界でも需要の動向に基づいた生産〜流通の体制が築かれている。

そこで急所となるノウハウは、「その商品がどれだけ売れるのか?」という需要予測だが、いまは小売店舗のレジ端末で決済された情報(POSデータ)が主なソースになっている。コンビニでは、来店客が購入したい商品をレジへ持っていき、店員が商品のパッケージにあるバーコードをスキャンすると、その情報がコンビニ本部や物流センターに送信されて、補充用の商品が追加される。

各商品のメーカーは、全国の納入先から集まるPOSデータを元にして毎日の生産量を決めれば、需要の動向を読み間違えて過剰な在庫を抱えることが無くなる。こうした情報管理により、売れ行きが不振な商品は、発売ら数週間で売り場から消えていく。コンビニに並ぶ新商品のおよそ6割は、発売から1年以内に廃版となっている。

《POSによるジャストインタイムの流れ》

  

発売からすぐに、商品の寿命が予測できるのは秀逸だが、このこのシステムにも不充分な点がある。それは販売情報の収集源が店舗レジのため、実際に新商品を発売してみないと「売れるかどうか」がわからないのだ。しかし、新たに商品を開発して売り出すまでには、莫大なコストがかかるため、できることなら確実に売れる商品だけを開発したい。

製品の開発コストをできるだけ抑えながら、かつ、消費者のニーズに合った新商品を次々と発売していけるのが理想だが、最近ではソーシャルネットワークを活用することにより、それが現実的なビジネスとして成り立つようになってきている。

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この記事の核となる項目
 ●ソーシャル・プロダクト開発の発想とイメージ
 ●ソーシャル開発の具体的な工程と流れ
 ●ソーシャルな力で生まれるアイデア商品の着眼と特徴
 ●インベンター(発明者)の役割と収益分配の仕組み
 ●デフレビジネスから脱却するための付加価値
 ●500円のTシャツを3000円で売るソーシャルデザイン
 ●ヒットメーカーのモノ作りとアイデアの価値
 ●企業が「アイデア」に着目しはじめている理由
 ●モノ作り立国の頭脳となる研究者の育成と資金調達ルート
 ●個人の売り手を味方に付けたソーシャルコマースの戦い方
 ●ITの巨人企業が狙う権利ビジネスモデルと特許オークション
 ●雇われない働き方へと移行する頭脳をウリにしたプロ人材
 ●回路図の開示による顧客サポートとオープンソース電気自動車
 ●知的財産立国に向けて浮上する特許技術の移転仲介ビジネス


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