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  「英語」を母国語として話す人は約3億人だが、ネットでは世界公用語としての広がりをみせている。今後は英語と中国語が、ビジネスで最も影響力のある言語として習得の必要性が高いと言われている。
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世界公用語として広がりはじめる
英語商圏とフリー英会話
written in 2011/9/11

 楽天やユニクロが、英語を社内の公用語にすると決めたことには、賛否両論の声が聞かれるが、他の企業に勤める人達にとっても、グローバル化の必須ツールとして「英語の習得」が避けられないことには、気付き始めたようである。その影響を受けて、NOVAの倒産(2007年)以降は精彩を欠いていた、英会話スクール業界が息を吹き返し始めている。

当時と異なるのは、英会話レッスンの法人需要が増えていることで、英会話講師がクライアント側に出張して、数名のグループ制でレッスンを行う形式になっている。従来の教室レッスンに比べると、その会社の海外業務に即役立つレッスン内容にカスタマイズして指導してもらえるのが利点だ。

さらに、会社によっては、社員か個々に受講する英会話レッスンの費用を一部負担する「英会話補助制度」を設けていることもあり、英会話市場は確実に拡大している。

日本に約6千万人いる労働者の中で、これから何らかの形で「英語」が必要になるホワイトカラー職は5割が該当して、その人達が何らかの形で、英会話レッスンを受けると莫大な市場規模になる。ビジネスマンの英語力を判定する実質的な指標になっている「TOEIC(トーイック)」の受験者数をみても、市場の拡大傾
向は確認できる。

《TOEIC受験者数の推移(日本国内)》

  

これから、英語習得のためのレッスンや教材市場が有望であることは間違いないが、日本は英会話習得にかかるコストが最も高い国でもある。じつは米国内でも「英語を教えること・習うこと」の市場が拡大している。これは、移民の増加により多民族が米国に住むことで、「英語を上手に話せない米国民」が増えているためである。



各国にとって「言語政策」というのは非常に重要なことで、世界には 200以上の国があるが、使われる言語は次第に集約化されてきており、公用語として使われる言語はさらに絞り込まれていくとみられている。

《世界の言語別使用人口》

  

通じる言語が同じなら、国籍は違っても“同じグループや仲間”として交流やビジネスがしやすくなる一方で、母国語が衰退していく国や民族は、世界な立場もマイノリティ(少数派)になると危惧されてる。

さらに、これからの人気言語は、使用者の絶対数が多いだけでなく、ビジネス商談の成功確率が高い言語であることや、ネットコンテンツのカバー率が高い言語であることが条件のため、やはり「英語」は世界公用語としての地位を確立していくことになりそうだ。その中で、日本人の英語に対する苦手意識を克服するために、英会話レッスンの市場はどこへ向かうべきなのかを考えていこう。

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この記事の核となる項目
 ●米国の移民市場と言語教育への需要
 ●世界の英語教育と、日本の英語教育との違い
 ●小学校英語指導者に絡んだ資格ビジネス
 ●語学教育におけるボランティア人材の役割
 ●ネイティブ教師の採用を妨げる労働問題
 ●教育の投資効率でみた語学習得コスト
 ●言語別にみたネットユーザー人口の勢力図
 ●英語レッスンはやがてフリーになっていくシナリオ
 ●熟考型へとシフトする米国の教育市場と読書用レベルブック
 ●エリート外国人の採用へ向かう日本企業と英会話スクール
 ●価値が下落する学歴社会に求められる教育投資効率の考え方


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