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  ブラジルの人口は約2億人で、インドの11億人よりも少ないが、国民の消費意欲についてはインドよりも旺盛であることから、世界の有力企業がブラジル市場へと目を向けている。
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世界の有力企業が注目する
ブラジル経済と2億人の消費市場
written in 2011/7/19

 巷で使われる「景気」という言葉は、経済の先行きを占うもので、「これから景気が良くなりそうだ」という強気の判断をする人が多くなれば、企業や消費者は、積極的に買い物や投資をするようになる。反対に「景気が悪くなりそうだ」という弱気が広がると、出費をできるだけ抑えて、不況の時代に備えようとする性質がある。

いまの日本は、将来への不安から消費者の購買意欲が減退しているが、経済活動の中で「お金」を人間のカラダに例えると「血液」にあたるもので、血液の循環が悪くなれば、様々な病気を発症するようになる。

他方、新興国の所得水準は、日本よりも遥かに低いものの、将来への希望や夢を抱く人達が多いことから、経済は右肩上がりで成長している。つまり、消費者が元気な国ほど今後の見通しは明るいという見方ができる。

平成22年版の通商白書によると、2015年に世界主要国を合算した経済規模は81.8兆ドルになるという予測の中で、日本の国内市場が占める割合は 7.6%しかない。それに対して、アジア、ブラジル、ロシアを含めた新興国市場には38.8%もの消費需要があると指摘されている。

《世界経済規模(GDP)構成比の推移予測》

  

主要財別市場規模ランキングでみると、新興国の中でも、最も消費が旺盛なのは中国である。13億人もの人口(消費者)がいることからすれば妥当な結果だ。すると、人口からみた次の有望市場はインド(11億人)ということになるが、消費の力では「ブラジル」のほうが上回っている。通商白書の中でも、中国・ブラジル市場には、日・独市場を追い越す購買力があることが言及されているが、ブラジル市場の実態については、日本であまり知られていない。

《主要財別市場規模ランキング》

  

ブラジルの人口は約2億人。他の新興国よりも底辺層の所得水準が高くて、分割払いでの買い物を好むことから、世界のメーカーや小売企業にとっては有望市場として注目されている。その中でも、特に購買力を高めているのが「新しい中間層(C層)」と呼ばれる消費者である。彼らがどんな特性を持っているのかを掘り下げることで、日本とは異なる消費の傾向を掴んでみたい。それはブラジルに限らず、他の新興国消費者を攻略する上でも参考になるものだ。

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この記事の核となる項目
 ●好調なブラジル経済と急増する日本企業の進出
 ●ブラジルで急成長する「新たな中間層」の特徴
 ●月収別にみたブラジル世帯の社会階層
 ●ローン・分割払いの買い物を好む新興消費者
 ●C層サクセスストーリーと憧れの日本ブランド
 ●加熱する新興国の消費マインド
 ●高級志向で新興国市場に攻める日本ブランド
 ●モノからサービスへとシフトする貿易と人材の輸出入ビジネス
 ●新興国のエリート人材が鍵を握る今後の国際ビジネス動向
 ●経済連携による国境消滅で起こる介護人材の国際調達ビジネス
 ●ネットビジネスの現場で調達されるオンデマンド労働者の実態
 ●日本からの中国ネットビジネス参入に向けた視点の磨き方
 ●ネットによって国境を楽々と越えるサービス貿易の動向と影響


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