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  日本から海外市場を狙う企業の中では、中国を中心としたアジア市場が人気だが、最近のユーロが急落していることからすると、欧州とのビジネスに注目することも重要な視点。欧州ユーロ圏の中でも、人件費や物価に大きな違いがある。
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円高ユーロ安を好機と捉えた
欧州ビジネスの狙い方と有望国
written in 2011/6/19

 他国との物価や人件費の格差に着目して、日本企業が海外へ進出したり、現地の企業と提携する動きは、製造業の分野から広がっているが、日本企業の向かう先としては、中国やASEAN諸国が大半を占めている。

経済産業省の「海外事業活動基本調査」によると、日本企業が海外に設立している現地法人の数は1万8千社という中、アジアへの進出は全体の6割強を占めている。しかもその半分は中国である。

《日本企業の海外進出先(2009年)》

  

中国へ進出する企業が多いのは、人件費が日本よりも安いことや、13億人以上の市場に魅力を感じてのことだが、自社の業務内容や商材が中国とマッチするという確証がないまま、「他社が中国だからウチも…」と曖昧な決め方をしている例も少なくない。

海外進出する日本企業の5割は製造業で、生産拠点を人件費の安い国へとシフトすることを目的にしているが、すべてのメーカーにとって、中国が最良の進出先とは言えない面がある。製造の技術については、現地の人材育成も進んで、次第に質は高くなっているものの、いまだに劣ってるのは、デザイン的なセンスの部分である。

アップルのように、米国本社で斬新なデザインの製品を開発して、中国の協力工場へ製造委託している例はあるものの、日本企業は、もともとデザインのセンスに長けているわけではないため、日本と中国の協業では、アップルに勝るような製品を生み出すことは難しい。

また、食品の製造に関しても、数年前から中国工場の不祥事が報じられるようになり、日本の消費者にとって「Made in china」の信用は低くて、たとえ“安全”であることが確認できた製品でも、ブランド力の面では劣ってしまう。

では、センスの良さ、安全性、ブランド力といった面で、製品の価値が高められる提携国や、進出地はないものかと考えた場合、ヨーロッパ(欧州)は狙い目である。金融危機以降、EU通貨(ユーロ)の相場は大幅に下落(1ユーロ 160円台→110円台)しており、日本企業にとっては、絶好の投資機会が訪れている。

ところが、日本からみて、欧州が今ひとつ注目されないのは、英国やドイツなどメジャーな国を基準にして、相変わらず物価が高いという印象が根強いことが一因として挙げられる。しかし、欧州の中でも国によって、労働者の年収に2倍以上の格差があることは、あまり知られていない。そこで、欧州の中で魅力的な人材や商材を持っていながらも、物価の安い国との提携関係を進めれば、対中ビジネスよりも、価値の高い事業を展開することは十分に可能。そこで今回は、欧州の中でも、未開拓の有望市場を探してみたい。

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この記事の核となる項目
 ●欧州における所得格差と有望市場の見つけ方
 ●欧州各国の年収比較
 ●キッチンブランド「ルクエ」にみるスペイン商材
 ●プラスチックメーカーから知財企業への転換
 ●ルクエ製品の流通ルート解説と海賊商法
 ●ルクエ並行輸入ビジネスの問題点について
 ●ルクエ以外にもあるスペインの有望商材
 ●モノからサービスへとシフトする貿易と人材の輸出入ビジネス
 ●世界最大19億人の市場を生む、ASEAN−中国自由貿易圏
 ●1万円の海外旅行を実現させる格安航空会社(LCC)の衝撃
 ●オフショアマネーが自国へ環流するルーラルソーシング市場
 ●欧州企業が推進するテレワーカー育成と社会保障問題の接点
 ●ネット時代の円高還元スタイル〜米国発買い物代ビジネス
 ●個性的な製品が求められる時代のデザイナーの価値と収益構造


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