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  個人が売り手になれるeコマースは、ネットオークションの発明からスタートしているが、最近では、eコマースとソーシャル機能が融合することで、もっと高度な売り方へと進化している。 ツイッターやフェイスブックの友達に対して、自分の商品を売ることができる仕組みは「ソーシャルコマース」として注目されている。
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個人の売り手を味方に付けた
ソーシャルコマースの戦い方
written in 2011/1/9

 新年の初売りといえば、1月2日からと言うのが古い習慣だが、コンビニは言うに及ばず、量販店やショッピングセンターでは、元旦からの営業が普通になっているし、ネットで購入した商品も年末年始に関係なく宅配便で届く。消費者には随分と便利な時代になったものだが、小売店にしてみると、過剰なほどの顧客サービスをしなくては、売上を維持することが難しくなっている。たとえ何億円という売上があっても、決して儲かっているわけではないのだ。

小売業の基本は、売上高から仕入原価を差し引いた粗利益から、店舗の家賃、人件費、広告などの経費を差し引いて残ったものが「営業利益」となるが、その平均は売上高に対して3%前後である。しかも在庫の売れ残りや、他店との値引きやサービスの競争が厳しくなれば、その水準を維持することも難しくなる。

《小売業の平均的な経営指標》

  

オンライン販売についても同様で、最近のネット通販は、豊富な品揃えの中から希望の商品を検索して注文できるのが普通だが、その裏側では、膨大な在庫を抱えなくてはいけない。eコマースサイトは約1ヶ月分の売上に相当する在庫を保有しており、ロングテールによる品揃えのアイテム数は、月商が数億円規模のサイトでは数千点になるため、倉庫や物流設備の負担はかなり重い。さらに顧客から送料の無料化を求められると、利益は吹き飛んでしまう。

アマゾンでは日本国内向けに、2010年11月から送料の完全無料化を実施したが、それに伴い、送料を徴収する他のeコマースサイトでは、注文数が減少する事態に見舞われている。すべての業者がアマゾンの真似をできるわけではなく、仮に、粗利益が30%あっても、商品の発送業務や、他の経費を差し引けば、赤字スレスレというショップは少なくない。

ところが、eコマース業界を巡る動きとして、粗利益が10%未満で勝負する競合も登場してきている。これは、個人の売り手が、オンライン販売する「C-to-Cコマース」の形態を指している。ネットオークションはその代表例だが、それ以外でも「ソーシャルコマース」や「ソーシャルショッピング」といった新モデルの台頭により、続々と新たな売り手が現れている。彼ら一人あたりの力は小さくても、その数が増えることで小売業界全体を揺るがすほどの影響力を持つようになる。

そうした中で、プロの小売業者はどんな戦い方をしていけば良いのか?それを考えるには、ソーシャル小売業の新モデルがどのようにして形成されているのかを理解して、古い常識に囚われない商品の売り方を試していくしかない。

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この記事の核となる項目
 ●中国の淘宝網(タオパオ)にみる個人リセラーの台頭
 ●日本とは違う中国の小売業における採算モデル
 ●淘宝網出品代行サービスの仕組みと問題点
 ●個人の売り手を急増させるソーシャル機能の仕組み
 ●友達のネットワークを活用した共同購入モデル
 ●友達を対象としたソーシャルオークションの仕組み
 ●友達との関係が“資産”となるソーシャルグラフ
 ●メーカーが試みる小売業者の中抜きeコマース
 ●消費者のソーシャルグラフと連動したメーカー直販サイト
 ●不況が加速させるダイレクトコマースの裏事情
 ●低成長時代を迎えるeコマース業界の市場動向
 ●ロングテールから飛躍するアマゾンの新ビジネスモデル
 ●有望ビジネスの着目点(女性スマート層の新購買スタイル)
 ●ローカル広告市場を席巻するグルーポンビジネスの正体
 ●中国eコマース市場の取引慣習と日本業者向け代行ビジネス
 ●利益確定型へとシフトするeコマースの新ビジネスモデル


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