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2011年有望ビジネスの着目点
(スマート市場の捉え方と参入方法)
written in 2010/12/26

 ちょうど1年前のホットな話題といえば、「ツイッター」が日本でも火がつき始めた頃で、JNEWSでも注目の新メディアとして紹介した。その後は、政治家から主婦や高齢者までが気軽にメッセージを投稿するようになった。しかしその一方で、自分の発言が思わぬところで波紋を広げたり、他人に迷惑をかけたりすることも弊害として指摘されるようになった。ツイッターが、新たなコミュニケーションのツールとして浸透したことは間違いないが、わずか1年で、成長のライフサイクルは成熟してきた感があり、先進的なユーザーは次の刺激的な“何か”を模索し始めている。

その足がかりとして活用されているのがスマートフォンだが、こちらも2010年の夏頃からは、「iPhone」から「Android(アンドロイド)」へと話題が変化してきており、出荷台数では既にアンドロイドが iPhoneを上回るようになっている。このように、新たな媒体や端末の新陳代謝は目まぐるしい。

翻って、世界の経済は迷走を続けている。為替の乱高下に加えて、レアアースの輸出規制に代表されるような、資源供給の国際的な駆け引きにより、企業の業績は翻弄されている状況。その背景には、各国が自国通貨を大量に発行したことによる通貨安競争で、金融市場でバブルが起きていることや、中国を中心とした新興国の成長により、食糧、水、石油、希少金属などあらゆる資源が不足しはじめていることがある。

いま世界の投資家は、マネーの逃避先として、様々な金融商品や資源を物色して相場が高騰しているが、その一方で、庶民の生活には不況感が漂ったままという2極分化が進んでいる。サラリーマンの平均年収は、最近の10年間で1割以上も下落しているが、その内訳をみると意外なことがわかる。

《サラリーマン平均年収の推移》

  

女性の労働事情は、非正社員の立場が多いということもあり、平均年収は男性の1/2というのが実態。しかし、10年間の時系列では、男性の年収が60万円以上下落しているのに対して、女性には大きな変動がみられない。裏を返すと、女性はそれ以前から、厳しい生活を強いられていたということだが、視点を変えれば、女性はそれだけ「不況に強い」という見方もできて、年収ダウンに狼狽えたり、精神的に弱くなっているのは、男性に多くみられる傾向である。そのため、家族としての家計モデルを考えた場合には、夫だけの働きに依存するのではなく、妻の活躍や、ファミリーが一丸となっての協力が重要になる。

その辺りに、来年のトレンドを読み解く鍵が隠されているというのが、JNEWSの予測で、2011年はスマート(頭が切れる)な女性が主役となって、賢いショッピングの方法を開拓したり、起業や副業を含めた新しい働き方(ワークスタイル)、さらに、自宅でできるだけお金を使わない生活スタイルとしてのDIYなどに関連した分野で商機が見込めそうである。では、具体的にどんなビジネスが考えられるのかを解説していこう。
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この記事の核となる項目
 ●知的女性が牽引するスマートショッピングの仕組み
 ●ソーシャルショッピングの牽引層とは
 ●消費者はどこまで賢くなれるのか?〜スマート消費者の台頭
 ●女性がハマるDIY市場への参入スタイル
 ●庶民層にまで広がる電気自動車(EV)市場
 ●自動車と住宅をセットにしたスマート発電ビジネス
 ●スマートグリッド・ビジネスにおける商機
 ●他人の軒下を借りた家庭発電所のネットワークと売電ビジネス
 ●黒船に乗った新興国の知的ワーカーが迫る労働市場の開放政策
 ●アンチ大量生産の消費者に支持されて急成長する手芸サイト
 ●テスラモータズが描くEV社会と電力ビジネスの未来形
 ●シングル女性が購入するマイホームの採算と新たな家族関係
 ●新ライフスタイルと人生レバレッジの法則


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JNEWS LETTER 2010.12.26
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■この記事に関連したバックナンバー
 ●2010年有望ビジネスの着目点(世界の労働市場で高齢化する日本)
 ●2009年有望ビジネスの着目点(資産と富が再分配される時代へ)
 ●2008年有望ビジネスの着目点(ハイリスクハイリターン社会の到来)
 ●2007年有望ビジネスの着目点(多様化するライスタイルの選択)
 ●2006年有望ビジネスの着目点(モノから知財ビジネスへの転換)