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  電気自動車(EV車)の普及に伴い、全国で整備する必要があるのがバッテリー充電ステーション。EV車は、充電するステーションの種類や時間帯によって燃費コスト(充電料金)が違うのが特徴。それに伴い、様々な充電ステーションのビジネスモデルが考えられる。
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バッテリー充電ステーションの
ビジネスモデルと新技術
written in 2010/6/25

 近頃ではHD画質の動画もネットで見られるようになったが、十数年前には数メガサイズの写真をダウンロードするのにも苦労した。アナログ回線からスタートしたインターネットも、今では光ファイバーが各家庭にまで普及して、通信速度は1千倍以上も速くなっている。しかも、その回線がダウンすることもほとんど無い。携帯電話も同様で、現代の生活には欠かせないインフラになっている。

こうした近代的な生活を支えているインフラの原点が何かといえば、「電気」だろう。日本で大規模な停電が起これば、パソコンやケータイはもちろん、家やオフィスの照明や道路の信号機まで使えなくなり、日常生活のすべてが麻痺してしまう。

幸いにして、日本は最も停電率が低い国であり、生活に支障が出るような電力トラブルはほとんど無いのだが、これから電気自動車の時代が訪れると、状況が変わってくると言われている。いま全国を走る自動車の数は7千万台で、その何割かが電気自動車に切り替わり、毎日の充電をするようになれば、電力に対する需要にも変化が生じてくるためだ。

電気自動車の“燃費”にあたるのは、電力1キロワット時(kWh)で何キロメートル走行できるのかという数値で、いまの技術では1kWhで 5〜10kmの走行が可能。日産が 2010年末に発売を予定している、電気自動車「リーフ」の場合では、バッテリーの容量が24kWhに対して、走行可能な距離は 160kmとなっているため、
燃費は「1kWhあたり6.6km」。これがカタログ値であることを差し引くと、実際の走行では1kWhあたり5km前後が目安といえる。

つまり、月に1000kmを走行する家庭なら、1か月あたりの電力量は約200kWhと試算できる。これまでの一般家庭が消費している電力量が300kWh前後/月であることからすると、電気自動車を各家庭が所有しても、驚くほど電力消費が増えるわけではないが、この考えには盲点がある。

電気自動車(EV車)が、従来の家電製品と異なるのは、できるだけ短時間での充電が求められることで、同時に多数のEV車が急速充電をすると、電力施設への負荷が一気にかかることとなり、停電の事態も起こりかねないのである。

EV車についての商機としては、バッテリー性能を向上させることで走行距離を伸すことに注目が集まっているが、もう一つ、バッテリー充電用の送電システムを構築することにも大きな市場がある。よく言われるのが、ガソリンスタンドのような“バッテリー充電ステーション”を全国に整備することだが、EV車は、自宅のガレージやオフィスの駐車場でも、電源さえあれば充電することが可能であり、ガソリンよりも多様な設備を整備することができる。



そこに向けて、グーグルも参入しはじめている電力ビジネスの内容や、トヨタが資本提携した新興の米電気自動車メーカー、テスラモーターズの動向などを追いかけることで、EV車の普及と電力ビジネスとが、どのようにリンクしていくのかを掘り下げてみたい。
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この記事の核となる項目
 ●充電方法で変わる電気自動車の燃費コスト
 ●リーフの充電方法と充電時間について
 ●米テスラロードスターの充電システム
 ●バッテリー・チャージステーションのビジネスモデル
 ●小売店をチャージステーションにした集客効果
 ●IT業界と電力業界を結ぶスマートグリッド技術
 ●テスラモータ−ズが描くEV社会と電力ビジネスの未来形
 ●電気代タダのEV社会を目指すテスラ社のビジネスモデル
 ●スマートメーターを起点にした電力+ITビジネス
 ●脱マイカー社会で変わる消費者の購買行動と商圏法則
 ●環境問題が後押しする「あいのり」通勤ビジネスへの商機


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