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リアルタイム性を身につけた
ソーシャルメディア革命の影響力
written in 2010/1/12

 2010年の注目点には幾つかあるが、その中でも外すことができないのが「リアルタイム」というキーワードである。これは個人メディアの勢いが増してきたことで、消費者の行動が素早くなっていることが大きく影響している。いま世界のネットサービスは、自宅やオフィスに固定されたPCから、iPhoneやGoogle携帯を持ち歩くモバイル環境へと急速にシフトしており、消費者が情報をキャッチしてから行動に至るまでの時間は驚くほど早くなっている。

これが、いわゆる“ソーシャルメディア”の台頭で、消費者は個人間のオンライン連携により、わずか最近の1年足らずで、企業よりも高速な情報伝達のネットワークを築いてしまった。その典型と言えるのが新聞社との比較で、世界で起っている最新情報は、翌日の朝刊を待たずとも、ツイッターを中心としたソーシャルメディアをチェックしていたほうが明らかに早い。

昨年からのソーシャルメディアは、良い意味で“ねずみ算”的にネットワークを拡大しており、しかもその情報伝達は無償ボランティアによって24時間止まることなく行なわれている。それに対して、消費者を顧客として取り込みたい企業や店舗では、どんな対応や新サービスを打ち出していくべきなのか、それを考えるのが今年の課題である。

たとえば、米国で昨日発表されたばかりの新製品は、どうやったら予約できるのか?という問い合せが量販店来たとしよう。それを店側が「えっ、そんな商品があるんですか?」と言ってしまったらマズい。大切なことは、店側でも消費者と同じスピードで情報を入手して、現時点で要望に応じられることと、応じられないことを明瞭にアナウンスしていくことだろう。

しかしそれを実現させるには、社内の情報収集や伝達の方法を見直す必要があるし、場合によっては、顧客対応の窓口を24時間制にするため、社員の勤務体系を変えることもあり得るだろう。ネット通販の話でいえば、アマゾンで注文した商品が、他のショップよりも早く到着するのは、昼間/夕方/深夜/早朝という24時間体制のシフト勤務による、商品のピッキングから配送のシステムが確立しているためだ。

アマゾンと同じことを中小のショップが行なうことは、資金や人材のリソースから無理にしても、何らかのリアルタイム性をサービスの中に盛り込むことが、今後の“足の速い消費者”をつなぎ止めて、支持率を上げるための布石になる。高度な情報伝達力を身につけた消費者を、敵に回すか、味方に付けるかは、ネットビジネス、リアルビジネスのいずれにしても、業者にとって今後の死活問題になるはずで、その動向について説明していくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●ネズミ算的に拡大するソーシャルメディアの影響力
 ●ツイッター上で口コミ情報が広がる流れ
 ●企業から見たツイッター活用のビジネスモデルと集客ノウハウ
 ●テレビCMと連携した企業のフォロアー獲得例
 ●160万フォロアーを集める企業のツイッター活用術
 ●消費者を味方に付けるツイッター・マーケティング
 ●消費者と対話する新たな製品開発スタイル
 ●ツイッターとの連携による製品開発の流れ
 ●ツイッターロボットによる口コミの連鎖反応
 ●特ダネを探して口コミする個人発、速報メディアの影響力
 ●グーグルが仕掛ける携帯ビジネスの革命と消費者の未来生活


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JNEWS LETTER 2010.1.12
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