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成功報酬弁護士が掘り起こす
トラブルの種と訴訟ビジネス
written in 2009/12/16

 近頃では法律事務所のテレビCMをよく見かけるようになった。多重債務の整理や、消費者金融に払いすぎた金利の返還請求を呼びかける内容だが、借金の返済者に向けたCMには、どこか違和感があると思う人は少なくないだろう。以前なら、弁護士が宣伝広告をすること自体が法律で禁止されていたが、それも解禁されて、積極的に顧客獲得の活動をする弁護士も増えてきている。

もう一つ、弁護士の活動が派手になってきている背景には、国が司法制度改革により、法曹界の人材を増やそうとしていることがある。これには国民に十分な司法サービスを提供するという目的の他に、欧米に劣らないだけの法律に詳しい人材を広く育てていかないと、国際的な訴訟で日本が負けてしまうという焦りもある。中国とのビジネスでもトラブルは増えており、日本の経済力からみても弁護士の数が足りていないのだ。

それに伴って司法試験の仕組みが変更されて、1990年代までは年間の合格者数が5百人前後だったのが、現在では2千人にまで増加している。さらに国の計画では年間3千人の合格者数にまで伸ばす方針だ。弁護士の登録者数をみても、20年前と比べれば2倍以上に増えている。

《弁護士数の推移》
    ・1960年………6,321人
    ・1970年………8,478人
    ・1980年………11,441人
    ・1990年………13,800人
    ・2000年………17,126人
    ・2008年………25,041人

     ※出所:日本弁護士連合会の会員数より

弁護士の数が増えれば同業者間の競争が激しくなるのは当然で、それが派手な宣伝広告へと向かっている。それでも、米国の弁護士数が 100万人(※)を超えていることからすれば遠く及ばないが、これも対岸の火事とは言えない。ビジネスや私生活で国際的な交流が活発になっている昨今では、国境を越えたトラブルを解決するため外国の弁護士が日本国内で開業することも認められている。弁護士の世界にも“外資系”の波が訪れているというわけだ。

※注:米国弁護士には、日本の司法書士、行政書士、税理士、弁理士などに該当する有資格者数も含まれる。

大方のサービスであれば、同業者間の競争が激しくなることで、消費者の生活が便利になったり、安い買い物ができるメリットがあるが、法律サービスに関しては少し状況が違ってくる。トラブルを抱えた人が、気軽に専門家へ相談できるのは良いことだが、逆にトラブルの矛先となっている人や企業にとっては、弁護士が助っ人となって徹底的な責任追及がされるため、従来のように当事者同士の話し合いで揉め事を穏便に解決するということが難しくなる。さらに、本人でさえも気付かずにいたトラブルのネタを掘り起こして賠償請求されることあり得るだろう。

海外のニュースでは、タイガーウッズに愛人問題が浮上して正妻との間で示談金の相談がされていること報じられているが、金額の差はあるにしても、一般の夫婦間でもこれから金銭問題はシビアになってくるかもしれない。さらに親が亡くなった後の相続問題、病院の医療ミス、企業と従業員の関係など、法律のプロ達からみれば“飯のタネ”となりそうなトラブルが、世の中にはゴマンと眠っている。それがどうような法律サービスとして商品化され、企業のビジネスや一般の生活に影響を与えているのかを、訴訟社会と言われる米国の動向から探ってみよう。
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この記事の核となる項目
 ●自分で仕事のネタを探す米国弁護士の収益構造
 ●年収からみた専門知識の対価と商品化について
 ●知的スペシャリストの平均給与比較
 ●労使関係の悪化に備えた契約ノウハウと人材マネジメント
 ●労使関係の悪化に備えたHRサービス
 ●労働者の雇用契約を代行するビジネス
 ●契約によって維持される夫婦関係と子どものプライバシー
 ●結婚後のトラブルを防ぐ婚前契約の仕組み
 ●オンラインプライバシーに関する対策市場
 ●結婚〜離婚までをサポートする夫婦関係のスペシャリスト
 ●雇われない働き方へと移行する頭脳をウリにしたプロ人材
 ●求人倍率が高くても給料が上がらない薬剤師業界のカラクリ
 ●世の中の揉め事を飯の種にしたトラブル解決サービスの新形態


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