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少子高齢化で求められる ワークスタイル改革の切迫した事情 |
written in 2009/5/29
日本の労働人口は約6200万人、その中で会社に勤めて給料を得ているサラリーマンは約8割と言われる。ただし近頃では「サラリーマン」の定義も怪しくなっていて、契約社員や派遣社員は条件が不安定なために、サラリーマンというよりも自由業に近いという説が有力だ。そうしてみると、正社員として雇用されて、正規のサラリーマンと言えるのは3386万人で、労働人口の約5割にまで落ち込む。働く側のサラリーマン意識が依然として高い中でも、それに該当するのが半数しかいないというのは、衝撃的な時代の変化といえる。
しかも近年の雇用環境からすると、新卒で入社した会社を辞めてしまえば、次も正社員として再就職できる確率はかなり低くなるし、40歳を超えた頃からはリストラの心配もあって、定年の日まで無傷で勤め上げられるサラリーマンは非常に少なくなっている。ある意味、これはサラリーマンという職種のライフサイクルが成熟から、衰退の時期に差し掛かっていることを示唆しているのではないか。
《日本の労働力におけるサラリーマンの割合》
そもそも「サラリーマン」としての働き方が普及したのは、昭和30年代からのことで歴史はそれほど長くない。それ以前は、八百屋、床屋、大工など、何らかの“家業”を持つことで各世帯は生計を立てていたが、日本の経済が右肩上がりで成長していく過程で、安定した雇用と給与が約束されたサラリーマンが人気職になっていった。しかし現在ではその状況も変わって、サラリーマンとしての働き方が、必ずしも安全で安定していると言えなくなってきたことは誰もが感じていることだろう。会社の業績によって年収に大きな変動があったり、数年先には居場所が無くなるかもしれないと怯えながら働いていたのでは、精神的にも疲れてしまう。
これからは、自分が望む、望まざるに関わらず、サラリーマンとはいえ自営業化の道を辿っていくことになりそうだ。その予兆は様々なところに出始めている。会社から毎月受け取る給与明細の金額は変わらなくても、増税や健康保険料の値上げで、手取り額では顕著なダウンがみられるようになっているし、退職金や年金制度が変更されると、生涯年収では数千万円のダウンになる人もいる。
すると、たとえサラリーマンでも「お金のことは会社にすべてお任せ」では自分たち家族の生活を守っていくことができなくなり、月々の家計収入をどのように安定確保していくのか、老後の生計をどのように立てていくのかを各自が考えて行動していかなくては、幸福な生活を維持していくことはできないだろう。
JNEWSの様々な取材活動を通して感じるのは、ここ数年で仕事や働き方の価値観、そしてビジネスの仕組みが根底から変わろうとする胎動がみられ、その変化はこれから30年以上にわたって続くだろうということである。なぜ30年という長期の予測なのかといえば、いまの子ども達が大人になって自分の家庭を持ち、かつ老親を支えていくことが、現在のビジネス環境やワークスタイルでは成り立たないことが明白であるためだ。それがどういうことなのかを紐解き、新しい働き方や起業の方法について提示してみたいと思う。
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JNEWS LETTER 2009.5.29
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