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お金を使わずに“わらしべ長者”を目指す
バーターショップの開業
written in 2009/4/8

 金融危機は次第に消費者の心理にも暗い影を落として、財布のヒモはかなり締まってきているが、すべての分野で消費が低迷しているというわけではない。1年前と比較して大幅に落ち込んでいるのは、自動車、家具、住宅設備などだが、生活に欠かせなくなった携帯電話やインターネットの通信料については節約の兆候はみられない。逆に不況になってからオンラインで買い物をするようになったという家庭が急増している。また、身近な楽しみとしてのガーデニング用品や、メタボ対策や健康維持のためのスポーツクラブ利用料などは消費が伸びている。

《分野別にみた消費の推移(2008年1月→2009年1月)》
 ・自動車(新車)…………………▲34.2%
 ・家具(たんす類)………………▲52.1%
 ・紳士用背広………………………▲ 9.1%
 ・婦人用スーツ……………………▲16.9%
 ・パソコン…………………………▲ 5.5%
 ・ビデオカメラ……………………▲31.6%
 ・カーナビゲーション……………▲31.1%
 ・国内旅行…………………………▲19.0%
 ・海外旅行…………………………▲14.2%
 ・庭、植木の手入れ代……………+45%%
 ・携帯電話使用料…………………+ 1.0%
 ・インターネット接続料…………+ 7.7%
 ・スポーツ施設利用料……………+47.6%

 ※出所:家計消費状況調査(総務省)

この動向からも、消費がいわゆる“巣ごもり型”になっている様子がみられて、消費者は限られた家計の中で、どこにお金を使うのかを慎重に選別していることがわかる。企業の業績からみても、商材やサービスの形態による明暗が分かれており、それは不況に強いと思われているリサイクルショップ業界にもみられる傾向だ。

ブランドバッグ、宝石・貴金属の中古販売が売上の9割以上を占めている「米兵」では、2008年10月からの売上が前年の実績を下回りはじめ、2009年2月の売上は前年の66%という深刻な打撃を受けている。一方、古本やCD、DVDなどのメディア商材を扱うブックオフのネット部門である「ブックオフオンライン」は 2009年1月の売上が前年比で168%となり、初の単月黒字を達成。サイトへの登 録会員数は45万人、月に3万人ペースで増加している。

リサイクルショップは、一般の顧客から買取りした商材(在庫)を再販売することで成り立っているビジネスだが、次の買い手がすぐに付かなければ、在庫の負担は次第に重くなっていく。すると買取価格も以前より低く設定しなくてはいけないため、買い取り希望の客も減少するという、負の連鎖に陥ってしまうのが欠点だ。その傾向が高級商材になるほど顕著に出やすい。

しかし不況だからといって、消費者が高級品への興味を完全に失ってしまったというわけではなく、リーズナブルな方法があれば利用したいと考えている。たとえば、ブランドバッグを会員制でレンタルするサービスは女性に人気だが、これも利用者が増えてくるとレンタル商材の在庫(しかも高額品)を増やしていかなくてはいけないのが業者の悩みになるし、借りたバッグに傷を付けてはいけないと気遣いながら外出するのは利用者にとってもストレスだ。

やはり利用の形態は「所有(購入)すること」が前提で、かつ支払額はできるだけ少ないほうがいいが、金利がかるローン払いも嫌だ、というのが消費者の希望である。売り手にしてみれば、そんなに都合がいい話はないと言いたくなるが、物々交換(バーター取引)や下取りサービスの仕組みを進化させると、それを実現することも不可能ではない。今回は「客にお金を使わせないサービス」を提供して、新たな消費意欲を喚起させるビジネスモデルについて考えてみよう。
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この記事の核となる項目
 ●物々交換で“わらしべ長者”を目指す発想
 ●不要になった物から必要な物への交換取引システム
 ●モノとモノの交換ビジネスと給料に変わる現物支給の働き方
 ●マニア向け交換会としてのスワップミート
 ●オフ会とスワップミートの提携イベントによる集客例
 ●労働力と商品(モノ)を交換するサービスの可能性
 ●労働奉仕で成り立つ米フードコープと消費者の関係
 ●マイホームを交換することで生まれる新たなライフスタイル
 ●マイホーム交換を仲介するバータービジネスのモデル
 ●ライフスタイルの変化に合わせたマイホーム交換市場
 ●朝市に群がる消費者心理とフリーマーケット事業への商機
 ●欧米人はなぜ金貨の購入に走るのか?命を守る本物資産


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