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魅力的な個性を商品化する ビデオティーチャーの収益モデル |
written in 2008/12/8
社会人のスキルアップといって真っ先に思いつくのは「資格を取得すること」だが、近年では資格試験の世界にも変化が起こり、受験者数がジリジリと減少しはじめている。国家資格の「行政書士」でさえも、平成15年度の受験者数が8万1千人であったのに対して、平成19年度では6万5千人にまで減少している。また弁護士や検事など法曹人口の増員を目的に2004年から創設された法科大学院(ロースクール)でも、全国にある74校のうち46校が定員割れという状況にある。
司法試験に合格すれば、社会的な地位と高年収は約束されたようなものだが、どうして人気が低いのか。それは試験勉強に費やす時間と合格の可能性(合格率)とを比較して、難関資格にチャレンジすることを“リスク”として捉えているためだ。社会人になってからの挑戦は、会社の仕事を犠牲にしなくてはならず、もしも試験勉強のために職を失うようなことがあっては、いまの時世では再就職も難しい。
それなら合格率が比較的高い民間資格ではどうか。試験勉強の負担は少なくて済むが、高いテキスト代や受講料を払って資格を取得してみても、社内の昇進や独立にほとんど役に立たないことがわかれば、自分に対する投資が無駄になってしまう。本来の「資格」は、その職務や事業をするのに必要だから取得するものであり、「資格さえ取得すれば何とかなる」と考えるのは間違いだろう。人材を採用する企業側でも、資格の有無だけで人を判断することは少なくなってきている。つまり“資格”そのものの価値は以前よりも下落してきているのだ。
では、今後の有望な人材としてどのようなの人が求められるようになるのだろう。そのキーワードとして浮上しているのが「パーソナリティ」や「キャラクター」といった人間本来の個性や人柄である。誰もが情報発信者となり得るネット社会では、たくさんの資格証を持っている人材よりも、多くの聴衆を惹き付けられる人材の価値が高くなる。たとえば、ブログ記事でアクセス数を稼げることは魅力的なスキルであり、大企業の広報部でも求めている人材だ。ユーザーからの信用が厚い広報マンが企業ブログの顔となれば、それが会社のブランド力を高めることに大きく貢献する。
近頃では、経営者自らが“社長ブログ”を毎日執筆することも珍しくないが、これにはまさしく企業ブランドを構築する役割があり、社長のブログから感じ取る印象(誠実さ・積極性・社会性など)が、その会社に消費者が抱くイメージと結びついている。また、自社の新技術や新製品の動向についてブログ上でわかりやすく解説して、ユーザーとの良好な関係を築く「エバンジェリスト(伝道師の意味)」という専門職も登場してきた。
さらに動画コンテンツになると、出演者のキャラクターが前面に押し出される。かわいらしい女性が YouTubeにセルフビデオを投稿すると、人気に火が付いてネットアイドル化することは珍しくないが、そんな美貌を持たない普通の人でも、毎日の出来事や人生経験をビデオで語ることにより数百万人のファンが付く現象が海外では起こっている。なぜその人が芸能人を凌ぐほどの人気者になれたのかは、注目すべき研究テーマに値することであり、新たなビジネスの手がかりになる。
(注目の新規事業一覧へ)
●理屈ではないパーソナリティ・マターの価値
●個性を活かしたビデオティーチャーのビジネスモデル
●YouTubeを利用したプロ講師の収益革命
●魅力的な個性を商品化するビデオティーチャーの収益モデル
●劇場型ビジネスを演出するスペシャリストと本物の人格作り
●外見のパーソナリティを磨くイメージコンサルタント
●笑いを商機に変えるコーポレートコメディアンの活躍
●本当のパーソナリティとは何か?キャラクター作りの第一歩
●企業が見習うべき劇団オーディションによる求人システム
●資格取得ブームの裏で下落する資格の価値と崩れる資格商法
●励まし系ビジネスとして注目するパブリック・スピーキング
JNEWS LETTER 2008.12.8
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