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脱マイカー社会で変わる
消費者の購買行動と商圏法則
written in 2008/11/24

 街中では「紅葉マーク(もみじマーク)」の付いたクルマをよく見かけるようになった。運転初心者が付ける若葉マークに対して、紅葉マークは70歳以上のドライバーを識別することを目的に道交法で定められているもので、特に75歳以上の高齢ドライバーに対しては、紅葉マークを付けずにクルマを運転することが努力義務とされている。

全国で高齢ドライバーがどれ位いるのかというと、運転免許証の保有者人口が約7900万人であるのに対して、70歳以上の保有者は約7%にあたる 615万人、65歳以上でみると約14%の1100万人。これが10年後には1800万人(約22%)にまで増える見通しだ。しかし高齢になるほど、重大事故を起こす確率が高くなるため、運転に自信がなくなった場合には、自分が加害者になる前に運転免許証を返上することを、警察では勧めている。視力や判断力の衰えから、自動車を安全に運転できるのも70〜75歳位までというのが妥当な見解のようだ。

これは交通安全の話だけのようにみえるが、じつは経済に重大な影響を与える問題をはらんでいる。というのも、現在の70歳代にあたる人達は昭和30年代に免許証を取得して初めてのマイカーを購入し、モータリゼーションの文化を育ててきた最初の世代である。国内のマイカー所有率は、1960年(昭和35年)にわずか 2.8%だったのが、現在では86%を超えていて、小売業や観光業をはじめとしたほとんどの業界が、マイカーによる来店客を意識しない経営など考えられない社会になっている。

ところが、モータリゼーションにも落葉の時期が迫っている。高齢者世帯の増加は「クルマに乗らない(乗れない)世帯の増加」を意味していて、これは戦後の日本がまだ経験したことのない変化である。自動車を運転できなくなれば、スーパー、病院、銀行など、これまでは不自由なく利用していた店舗や施設が遠く感じるようになってくる。もちろん公共の交通機関を使えば行けないことはなくても、マイカーを使わなければ行動の範囲が狭くなることは間違いない。

従来、ショッピングセンターでは、自動車の運転時間によって「10分圏」「20分圏」「30分圏」という商圏の設定をしている。中小の小売店でも「自動車で5〜10以内」を商圏の目安にしていて、店からおよそ3〜5キロ以内の地域に住んでいる人達をターゲットにしている。しかしマイカーを使わない、徒歩による買い物となれば商圏は縮小されて、来店客数は大幅に減ることになる。ちょうどその折り、環境志向への高まりから“クルマを所有しない”という「カーフリー」の動きもあり、その影響は次第に各業界へ波及していくことになりそうだ。もしも消費者がクルマに乗れなくなった時…、どんなサービスが求められるようになり、ビジネスがどのように変わっていくのかを、そろそろ意識しはじめなくてはいけない。
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この記事の核となる項目
 ●都市に回帰する高齢者のライフスタイル
 ●年齢別の運転免許保有者からみたモータリゼーションの変化
 ●次世代のモータリゼーションと新モビリティサービス
 ●カーシェアリングに学ぶ、次世代型モビリティサービス
 ●クルマの所有形態で店舗の商圏が変わる法則
 ●マイカーの代役をするスペシャル・トランスポート・サービス
 ●定額タクシー予約サービスのビジネスモデル
 ●マイカーに乗らない得意客に向けた小売業の新モデル
 ●VIP客の送迎サービスで商圏を広げる新モデル
 ●店舗から宅配へと変わる消費者の購買行動
 ●寂れた店構えのソバ屋が潰れない理由と共同購入ビジネス
 ●衰退するスーパーから宅配へと販路を切り替える食品製造業者
 ●付帯サービスへの期待が高まる食事宅配サービスの可能性
 ●法人顧客獲得に活路を見出す新オンライン宅配サービスの視点


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JNEWS LETTER 2008.11.24
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