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  欧米では、子連れ同士で結婚すうrステップファミリー、養子縁組などにより「家族」の形態が多様化している。日本でも少子高齢化により、従来の家族制度が崩壊しかけていることから、「新たな家族」の形を模索する動きが出始めている。
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常識の枠を超えて急拡大する
家族仲介ビジネスへの需要
written in 2008/9/6

 日本人が外国人と国際結婚をするケースは年間で4万4千件ほどある。これは結婚カップル全体の6%にあたる数で、20年前よりも3倍以上に増えている。その中でも特に多いのが「中国人女性と日本人男性」による結婚で、約3割はこの組み合わせである。中国人と日本人は容姿が変わらないため、おそらく傍目からは日本人同士の夫婦にみえることだろう。

もちろん真面目な恋愛をして国籍を超えた結婚に至るのであれば問題はないが、中国の女性達は日本男性との結婚を、もう少し打算的に考えている。日本人の妻となって3年以上の生活をすれば帰化の申請をして、日本国籍を取得することができる。これは中国籍を捨てて“日本人”になることを意味しているが、その後は母国でも日本人として扱われるようになって、中国の企業に再就職した際にも給与面で優遇されることが魅力らしい。そのため国際結婚を仲介する業者の元には中国人女性の登録者が急増している。

結婚することを「入籍」というが、これは新たに築く家族の関係を登記することを意味している。初婚の男女が結婚する際には、親との同居や別居といった実際の生活環境とは関係なく、双方の実家から離れた新しい戸籍が作成されて、そこに配偶者や子供など“家族の記録”を公文書として残していくのだ。

法律からみた「家族」というのは、戸籍に記録されている身内のことを指していて、その記載がなければただの同居人という扱いになってしまう。たとえば、子供がいる女性が再婚をして、新たな夫と三人で新しい家族を築くような場合、婚姻届を提出するだけでは女性(母親)だけが夫の戸籍に入ることになり、子供は元の戸籍に残したままの状態になってしまう。そこで子供の姓を変更する手続きをして夫の戸籍に入れることができるが、夫との続柄は「妻の子」と明記されて、法的な親子関係はないため、その後に何十年も家族として暮らしても、遺産相続の際にその子は蚊帳の外になってしまう。そんな状況を回避するには、夫と“妻の子”が養子縁組をしておく必要がある。

このように“法律上の家族”は、実際の生活よりもクールな一面があるが、逆に戸籍に詳しければ、役所に出向いて簡単な手続きをするだけで、血縁とは関係なく家族になることができる。それは外国人も例外ではなく、独り暮らしの老人が介護のために雇っているフィリピン人のお手伝いさんと仲良くなり、養子縁組をすると二人はその日から親子の関係だ。中国やフィリピンなど、外国から日本へ移民することには何重もの規制がかけられているが、結婚や養子縁組という方法を使えば、すべての壁を飛び越えて“日本人”になることも可能なのである。

日本人は古くから家系や血縁関係を尊ぶ気持ちが強くて、戸籍をとても大切にしてきた。しかし人口のバランスや家族の関係が変化してきている中では、血の繋がりや国境を越えた新しい家族を作るという考え方も浮上してきている。これには賛否両論があるが、現実には様々な“新しい家族”の形が登場してきている。
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この記事の核となる項目
 ●常識を超えた新しい家族の関係
 ●里親制度からみた日本人の家族意識
 ●どんな家族関係も築ける日本の養子のシステム
 ●家族制度の違いが生む国際間の養子市場
 ●これからの移民と養子制度との接点
 ●ビジネス化する家族仲介業の実態
 ●日本から渡米した代理出産のルート
 ●未婚者市場に向けた婚活ビジネスの業界構造と参入の視点
 ●家系図に対する新たな需要と家系図作成代行業者の裏側
 ●ホステスが看護師に転身する日本市場向け人材ビジネス
 ●隣の外国人が日本で働いているカラクリと業務請負ビジネス
 ●30歳以降のシングル層が生み出す新たな消費マインドと独身市場


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