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荒廃した公立学校を再生する
教育ベンチャーの役割と商機
written in 2008/8/30

 マイホームを建てようと銀行に住宅ローンの申込みをする場合、その人の職業が貸付け可否の判断材料として重視されるというのは確かにある。ローン審査では、ただ年収が高ければ良いというわけではなく、これから二十年、三十年という長期にわたって職を失うリスクが少なく、安定した収入が維持できることが重視される。その点では、民間のサラリーマンよりも公務員のほうがポイントは高く、特に「学校の先生(教員)」は銀行からの信頼度が高い。

実際に公立学校(小・中・高)教員の平均年収は、平成19年度の統計で約 740万円(43歳)と高水準で、しかも福利厚生や年金制度も充実している。そのため教員の職に就いた後に、他の仕事に乗り換える転職率は非常に低いのが実態だ。企業の雇用環境が厳しさを増す中でも、「学校の先生」だけは利益や採算を追求されることのない、まさに“聖職”といえるかもしれない。そんなことからも、教員経験者が自分の子供も教員にさせてやりたいという希望は強い様子で、大分県で発覚した教員採用の汚職も、全国的にみれば氷山の一角だろう。

しかし現役の教員が必ずしも現状に満足しているというわけではない。教育現場では次々と新しい問題や解決すべき課題が山積して、悩みやストレスを抱える教員が急増している。国会でも取り上げられたが、病気のために休職する教員の約6割は、うつ病などの精神性疾患によるもので、10年前よりも3倍以上に増えている。教員の仕事には、正規の授業以外にも、放課後の補習や部活の指導、生活ノートの点検、生活面の指導や校外での安全パトロール、その他にも、いじめ問題への対応などで、教員に求められる守備範囲には際限がない。

その中で、どこまでを「自分の仕事」として扱うのかは、各教員の立場や責任感によっても違ってくることだが、それぞれの仕事に専門性が求められていることは間違いない。給食費などの集金業務などにしても、未払いの家庭が増えてくると、クラスの担任教員がザブ的な仕事として行うには荷が重くなってくるし、生徒の悩み相談にしても、専門のカウンセラーでないと対処できないほど難しくなっている。

そこで浮上してくるのが「学校を民営化する」という流れである。これは私立の学校を経営することとは違って、公立学校の運営に関わる業務の一部を民間に委託することを意味している。ビジネスの世界では、企業が時代の波に揉まれながらサービスの質を向上させているのと比べると、学校の経営については変化するスピードが遅すぎることは明らかで、それが教育現場の混乱を引き起こしているとみるべきだろう。

学校の民営化を“公教育市場”として捉えると、そこには様々な新ビジネスのテーマを見つけることができる。全国の公立学校(小中高)には約100万人の教員が勤めているが、彼らに対する人材育成やサポートだけでも莫大な市場規模になる。そこに民間のビジネスとして参入するには、どんな切り口があるのかを考えてみることにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●公教育を変革する教育ベンチャーの必要性
 ●ビジネスとして取り組む米国の学校経営
 ●学校の民営化に立ちはだかる課題
 ●教員の免許制度が変わることによる商機と問題点
 ●教員向けリクルート市場への着目
 ●公立学校を格付する学校コミュニティの役割
 ●幼児のIQを伸ばす知能教室の開業スタイルと業界構造
 ●体育の先生を派遣するビジネスの採算性と学校向け人材派遣業
 ●町内会と企業とが協業した地域サービスのビジネスモデル
 ●生徒は増えるのになぜ英会話スクールは儲からないのか?
 ●地域の団体をビジネスパートナーとして販路開拓する企業戦略
 ●変化する親の教育観と求められるホームスクール支援市場


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JNEWS LETTER 2008.8.30
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