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  仲間とゴルフをして何が楽しいのかといえば、得点(スコア)を競い合うことだろう。ただし技量による違いがあるためハンディキャップ(HC)が設けられている。このHCを減らすことがもう一つの目標でもあるが、その背景にはアマチュアゴルファー向けにハンディキャップを発行するビジネスのカラクリが潜んでいる。
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アマチュアゴルファー向け
ハンディキャップの発行ビジネス
written in 2008/2/9

 「先週末は80台で回れたよ」とか「100を叩いてしまったからもっと練習しないと」というのはアマチュアゴルファーの会話だが、もしもゴルフにスコアを競うというルールがなければ、これほどの人気になっただろうか。それ以外の団体競技、個人競技でもスコアを全く付けないスポーツは、ほとんど見あたらない。本来、スポーツを楽しむこととスコア(点数)を競うこととは別物だが、自分の実力や技量が他の人と比べてどの水準なのか、スコアとして表示されるからこそ、熱心に練習をしようかという気持ちになる。

もっとも、学生時代の勉強では常にスコアに悩まされた人も多いだろう。毎学期の期末テストや通信簿は常に点数で評価がされていたし、さらに受験となれば1点を競うことに神経をすり減らしたものである。そしてようやく大人になり、これでスコアから開放されるのかと思いきや、会社の人事考課も社員の見えないところで点数評価がされ、近頃では英語力をチェックするために、TOEIC テストのスコアを管理して昇格や転勤の判断材料にしている会社も少なくない。このように現代では、子供から大人まで、遊びから仕事に至るまですべてが点数によって評価されている。

そんな拝点主義に対して批判の声もあるが、スコアが優れているのは、常に結果が客観的な数字としてはじき出されるため、評価に偏りやエコヒイキがないという点である。大学受験の合否が試験の点数だけで決まるなら、努力をした者が報われる競争といえる。これが就職や社内の出世となると、状況が若干違ってきて、見た目の印象や人間関係の上手さなどが結果に影響するようになる。審査や評価をするのが生身の人間なら、それぞれの好き嫌いや評価の偏りが生じるのは仕方がないが、それが過剰になってくると、影に隠れた優秀な人材の芽を見抜くことができなくなってしまう。

このように見渡すと、我々の周囲では様々な事柄をスコア化することが可能で、それを新事業へと結びつけることができる。プロスポーツの世界では、各試合における選手の動きや活躍ぶりをすべてスコア化して管理することにより、ライバルチームとの戦力分析をしたり、選手の年俸を決めるための査定資料にしていて、そのデータ収集と分析を専門にしている会社もある。これをアマチュアスポーツに応用すると、自分と同程度の実力がある選手やチームとのマッチングサービスが展開できるようになる。

いま話題になっているサブプライム問題の裏側でも、顧客をスコア化することが行われていて、銀行やローン会社ではそのスコア情報を購入することで与信の審査をしている。いわゆる「サブプライム層」というのは、そのスコアが低い顧客=信用ランクの低い顧客のことを指しているのだ。さらに意外なところでは、夜の水商売でもホステスの働きぶりがスコア化されていて、その得点に応じた給料が支払われている。それらの仕組みが具体的にどうなっているのかを掘り下げることで、スコアビジネスの可能性について考えてみよう。
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この記事の核となる項目
 ●ハンディキャップを売るアマチュアゴルフ市場
 ●ゴルフダイジェスト・オンラインのビジネスモデル
 ●サブプライム問題の裏側にいるクレジットスコアの仕掛け人
 ●顧客の信用判定をするクレジット履歴のスコアシステム
 ●夜の水商売に学ぶビジネスルールの作り方とスコアビジネス
 ●ビジネスの法則分析=スコアビジネスという視点
 ●顧客スコアリングで使われるデータの種類
 ●水商売の世界に学ぶポイント制の給与システム
 ●決して「ノー」とは言わないプラチナカードサービスの舞台裏
 ●崩れゆく現金主義の価値観と電子社会における信用力の築き方
 ●社長よりも高収入を稼ぐスペシャリスト職の台頭と報酬体系
 ●ローン商品の仲介をする専門家、ローンブローカーの実像


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JNEWS LETTER 2008.2.9
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