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  米国では年収10万ドル以上、資産額で100万ドル以上という層が資産運用への関心が高く、ファイナンシャルプランナーの主要顧客になっている。彼らの報酬は「フィー収入」と「コミッション収入」の二本立てになっていて、平均年収は2千万円を超えている。
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資産運用の指南で
年収2千万円の花形職業が生まれる背景
written in 2007/10/13

 「もしも1億円があったら何に使おうか?」という話は飲み会の席などでよく語られるテーマだが、酔いが覚めてもこれを真剣に考えている人は少なくない。1億円というと途方もない金額に思いがちだが、現代の日本人にとっては意外とそうでもないようだ。日本には個人の金融資産が1400兆円あると言われているが、その貯蓄構造は、40代までは子育てと住宅ローンで、ほとんどお金に余裕がみられないが、50歳を過ぎた頃から退職金や遺産相続によって一気に貯まり始めるという図式になっている。

これから数十年先のことはわからないにしても、少なくとも今の状態では、60歳以上の平均貯蓄高(貯金、株式、生命保険など)は約2400万円もある。その中で4000万円以上の貯蓄がある家が約2割。日本の平均的な貯蓄モデルとしては、50歳になるまでに生活資金の余剰分でコツコツと1千万円程度のお金を貯めて、60歳前後で2千万円の退職金を受け取り、高齢の親が亡くなると約3千万円の遺産相続を受ける。それと若い頃に購入したマイホーム資産を加えると、8千万円前後の総資産額になる。これは大手企業に勤める大卒者の平均から割り出した数値だが、格差社会の中で勝ち抜いた出世組であれば、さらに貯蓄高は増えるため1億円という資産額はそう遠いものではない。

ではこれだけの資産がある人は、どのように使えばよいのだろうか?別荘やヨットを買うというのは夢として、実際にはできるだけ利回りのよい金融商品に投資するという人が大半だろう。資産のすべてを投資に回すのはリスクがあるが、1億円の資産がある人なら3割の3千万円をハイリターンが狙える株式などに投資するのが妥当で、そこから年率10%のリターンが達成できれば3百万円の不労所得が得られる。

ドルやユーロなど外貨預金なら4〜6%の金利が付くことからすると、株で10%の運用益を得ることはそれほど難しくないように思えるが、実際にやってみるとそう簡単にはいかない。さらに最近では新たな仕組みの金融商品が増えているため、素人が独力ですべての利点やリスクを理解して投資を成功させることは、とても難しくなっている。

そこで投資活動が盛んな米国をみると、個人向けに資産運用のアドバイスする“マネーマネージャー”というスペシャリストが活躍している。これに類似するものとして日本でもファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得している人が40万人以上いる。しかしその多くは会社に勤めている一般的なサラリーマンに過ぎない。ところが米国のマネーマネージャーとなると、独立したオフィスを構え、個人富裕層の資産運用に関する指南役として年収二十万ドル以上を稼ぐ花形職業になっている。そんな彼らの収益構造はどのようになっているのだろうか?そこを紐解くことにより、これからの個人向け資産運用ビジネスの全貌が見えてくるようになる。
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この記事の核となる項目
 ●金融工学が生み出すの資産運用のスペシャリスト
 ●資産を5倍に増やした新興国投資ファンド事業の業界構造
 ●投資ファンド業者の収益構造について
 ●年金制度の衰退で求められる個人向けマネーマネージャー
 ●個人向けマネーマネージャーの台頭
 ●年金分を資産運用で稼ぐには何%の利回りが必要なのか?
 ●年収20万ドル以上を稼ぐファイナンシャルプランナー
 ●新時代のリスクを「安心」に変える保険代理店の生き残り策
 ●生命保険で借金をチャラにするマイホーム購入計画と投資術
 ●老後の家賃収入を期待した不動産投資ブームに仕掛けられた甘い罠


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JNEWS LETTER 2007.10.13
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