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  経営者の中で70歳を超える人の割合は全体の2割以上と言われている。中小企業の中で後継者がいるのは少数で、多くの経営者は自分の代で廃業しようと考えている。そんな会社に対して“跡継ぎ”となる経営者候補を発掘して紹介するビジネスが、国の後押しによって広がり始めている。
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廃業希望者と開業希望者を結びつける
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written in 2007/9/13

 中小企業白書によると日本で活躍する経営者の平均年齢は58歳で、引退したいと考えているのは65歳である。つまり現役で社長を続けられるのはあと7年しかない。体力的にも精神的にもビジネスの第一線でがんばれるのがその頃までだというのは妥当な考えだろう。労働者の高齢化がクローズアップされているように、経営者の世界にも高齢化の波は足早に押し寄せているのだ。

しかし大企業のように後任の社長がすぐに見つかるほど、社内に豊富な人材が揃っている場合は別として、中小企業のオーナー社長が現役を退くまでには周到な準備期間が必要になる。白書のアンケート調査では、自分の代で廃業を考えているのは5%未満に過ぎず、残りの95%以上は事業を何らかの形で継承したいと考えている。自分の後に安心して会社を任せられる後継者がいる場合には問題ないのだが、約半数の中小企業では妥当な人材がいないという悩みを抱えている。そこで近年では花嫁や花婿探しと同様に、「会社経営の後継者探し」が大きな市場として有望視されている。

中小企業の後継者というと、現社長(親)が自分の子に会社を継がせるのが一般的だろう。普通のサラリーマンとしてコツコツと昇格の階段を上っている者にとっては、エスカレーター式で“二代目社長”の立場になれる息子の立場が羨ましく思ったりもするが、事業継承というのは傍目で思うほど容易ではない。従業員を何十人と抱えている会社であれば、後継社長は年間で億単位の売り上げを維持していけるだけの実力を身につけなくてはいけないし、融資を受けている銀行の連帯保証人を肩代わりする必要もある。また株式の相続や事業資産の引き継ぎなど、片づけるべき課題は山積している。先日、引越会社の二代目社長が自殺をしたニュースが報じられたが、これも事業継承の難しさを物語っている。

もちろん今後の業績に何の不安もない会社なら事業継承も上手くいくのだが、経営は生モノであり、数年先のことは予測が効かない。特に中小企業では超過債務に陥っているケースも珍しくなく、そんな場合には会社を引き継いだ息子が苦労するのは目に見ているし、負債をきれいに解決するまでは会社を畳む(廃業する)こともできない。それなら会社を今後も存続させる考えで、もっと違う事業継承の方法はないものだろうかと考えている経営者は多い。赤字スレスレで経営は厳しいといっても、商売を長年続けてきた中で築いてきた技術やノウハウ、固定客からの信用など、資産と呼べるものが無いわけではない。そこで「会社を誰かに買ってもらう」という選択肢もある。会社の価値が客観的に評価される昨今では、大企業ばかりでなく、ごく普通の中小企業や個人商店までが売買の対象となってきている。そこに目を付けた仲介ビジネスの仕組みを見ていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●廃業する会社には優良企業が多いという真実
 ●健全な廃業をするために必要な作業について
 ●店の後継者はどこで見つければよいのか?
 ●中小企業に広がるM&A仲介ビジネスの仕組みと業界構造
 ●中小企業向けM&A仲介サービスの仕組み
 ●M&A仲介業者の成功報酬体系
 ●中小企業にM&Aを勧める紹介者の役割と仲介手数料
 ●廃業か売却か?経営者が会社を売ることの理由と損得勘定
 ●自分の会社はいくらで売れるのか?
 ●M&Aだけではない後継者探しビジネスの視点
 ●凄腕ビジネスマンをヘッドハンティングする人材サーチ業の仕組み


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