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趣味市場を狙った委託販売ショップは なぜ成功しないのか? |
written in 2007/9/3
街を歩いていると“手作り趣味の店”といった看板を見かけることがある。これは編み物や刺繍、ビーズアクセサリー、シルバージュエリー、陶芸、ステンドグラス、革小物、といった手芸品を販売するショップである。もともと趣味としてはじめたアマチュアの作家が、自分の作品が売り物になるのであれば、という気持ちで販売しているものだ。ショップの形態としては、手芸用品の材料を販売する店舗の一角を、得意客であるアマチュア作家のための展示スペースを兼用して売り場として提供している他に、アマチュア作家から作品を預かって販売することを専門とした「委託ショップ」の形態がある。
このようなショップが増えてきた背景には、趣味の市場が急速に伸びてきていることがあり、アマチュア作家が制作した作品を披露する場が求められているということが一つ。さらにアマチュア作家といっても、玄人はだしの腕前を持つ人もいるため、それがハンドメイド商品としての価値を高めているということがある。たとえば本皮製のバッグにしても、大手メーカーの量産品より、職人が時間をかけて丁寧に製作したハンドメイド品を好む消費者は増えている。
もともとハンドメイド作家に“プロ”と“アマチュア”の区別はないのだが、その作品が商品として成立するか(実際に売れるか)否かという点で評価が決まることになる。売れる作品の制作者には次第にバックオーダーが入るようになり、業界での知名度が上がって、それがハンドメイドブランドとして世間に知れ渡り、プロの職人として生計を立てていけるようになる。
もちろんそこまで辿り着けるのは趣味人口のほんの一握りであるが、そんなハンドメイド作家の登竜門となるのが「委託ショップ」の存在。完成した作品をショップに預けて陳列してもらい、売れた際には手数料を差し引いた金額を受け取れるという方式。これなら作家側もショップ側にも売れなかった際のリスクが小さいということで、「趣味の店=委託ショップ」が全国的に増えている。委託ショップの開業は起業テーマとしても人気が高いのだが、これを商売として成立させることは意外と難しい。その理由はどこにあるのだろうか?
そもそも委託販売の仕組みは百貨店などでの取引慣習として、業者間では古くから行われてきた方法である。現在でも消費者の知らないプロの世界では、様々な委託取引が行われている。最近の委託販路は実店舗ばかりでなくネットにも広がり、様々な委託ビジネスが展開できるようになっている。「委託ショップ=趣味の店」とみるのではなく、委託販売の仕組みをもっと掘り下げることで、新たな小売業のビジネスモデルが浮き彫りになるはず。そこで今回は委託販売ビジネスの成功法則を考えてみることにしよう。
(注目の新規事業一覧へ)
●アマチュア作家を扱う委託ショップ経営の難しさ
●ホビー作家向けボックスショップの仕組み
●売れる物だけ厳選したホビーショップの強気な商売
●手本とすべきコンサイメントショップの形態
●アマチュア作品の流通を仲介する委託問屋のビジネスモデル
●音楽業界のインディーズレーベルを流通させる委託問屋
●アマチュア・アーティストが自主製作CDを売るための流通経路
●小売店が展開する委託取り次ぎビジネスの可能性
●家賃なしで好立地に出店するワゴンショップのビジネスモデル
●鑑定能力を武器にしたリサイクルブティックの中古委託販売
●趣味の専門市場に特化した環境(スペース)の賃貸ビジネス
JNEWS LETTER 2007.9.3
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■この記事に関連したバックナンバー
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