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  好きな趣味を仕事にすることは理想の生き方といえるが、現実には趣味の分野で生計を立てていくことは難しい。しかし茶道や華道のように習い事の門下生や弟子を全国に広げることで、潤沢な収益構造を築いている世界もある。趣味・習い事のビジネスで儲けるための策はどこにあるのか?
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趣味・習い事市場の狙い方
カルチャー教室の経営は儲かるのか?
written in 2007/8/5

 自分の特技や趣味で収入を得て暮らしていくことができれば理想的な幸せといえるが、その夢が叶っている人は非常に少ない。起業テーマを考えるにしても「好きなこと」よりも「生計が立つこと」を優先しなくてはならないのが実情だろう。ではどうして「自分の好きなこと」がビジネスに結びつきにくいのかというと、それが“商品”として人の役に立つのか?という基準で考えるとわかりやすい。絵を描いたり楽器を演奏するのが上手という人はごまんといるが、ただ上手なだけでは趣味のレベルに過ぎず、人の心を感動させたり励ますことができる作品(商品)を生み出すプロのレベルには達していない。どんな世界でも、アマチュアから抜け出してプロとして活躍していけるのは、ほんの一握りに過ぎない。

しかもプロになったからといって、夢に描いていたような高収入が得られるわけではなく、好きな世界で平均的なサラリーマンと同じだけの所得を稼ぐことがいかに難しいかに直面する。たとえばプロゴルファー(男子)の数は国内に約3千人いるが、その中で一般サラリーマンの平均年収以上の賞金収入を獲得しているプロは上位50名程度に過ぎない。もちろんプロテストに合格するまでには相当な努力と時間、資金が投下されているため、そこの採算面からみれば完全に赤字の職業である。

ところが賞金ランクの下位にいるプロゴルファーが必ずしも貧乏をしているというわけではない。というのもゴルフ業界には約9百万人のアマチュアゴルファーがいて、彼らの平均年収は7〜8百万円といわれている。つまり経済的に余裕のあるアマチュアプレイヤーがゴルフ市場を支えているために、プロ選手には「アマチュアにゴルフを教える」という手堅い仕事が用意されているためだ。その“教え方”にもいろいろあって、練習場での個別レッスンの他に、ゴルフ雑誌への記事執筆、ゴルフ教則本の出版、レッスンビデオの制作などがある。トーナメント戦では勝てなくても「教え方が上手いプロ選手」であれば、喰っていく道はたくさんあるのがゴルフ市場の特徴だ。

ゴルフに限らず、スポーツや趣味の世界で“プロ”として起業し、生計を立てている人の中には、本業である「賞金稼ぎ」や「作品を売る」ということの他に、「自分の技を生徒(弟子)に教えること」を主な収益基盤としていることが多い。そこでも、ごく普通に対面式の個人レッスンをするだけでは大した収入にならないが、新しいレッスン方法を開発してそれを全国的に広めたり、後継のインストラクター(講師)を育成することが魅力的な事業として成り立っている。

一方、趣味の習い事をする人(アマチュア)にとっても、技量を上達させるための励みがほしい。そのために大会や試合に出場して優秀な賞を獲るというのはわかりやすいが、さらに趣味を実益にする目標として、生徒から講師役へステップアップできる道筋が用意されていれば日々の稽古にも熱が入るというものだ。近頃では“大人の趣味”として様々な習い事がブームになっているが、その趣味分野におけるプロとして生計を立てていくには、具体的にどんな収益構造を築けばよいのかを、今回は音楽教室の経営を例にして考えてみよう。
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この記事の核となる項目
 ●好きなことで生計を立てるということ(音楽教室の場合)
 ●自営でピアノ教室を経営する場合の採算について
 ●音楽講師が模索する新たな収益モデルと教則映像ビジネス
 ●音楽講師が内職で手掛ける着メロビジネス
 ●着メロ制作の受発注ルートと耳コピ業者の存在
 ●レッスン講師よりも儲かる教則本ライターの仕事
 ●Youtubeを活用した教則映像ビジネスの最前線
 ●学ぶ側から教える側への道筋を築く習い事ビジネスの急所
 ●習い続けることのモチベーションと顧客(生徒)寿命について
 ●趣味スクールの経営と講師ライセンスの発行事業


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